脱クルマで地方は豊かになる!

地方の車社会、公共交通、自転車活用をはじめとする交通論・都市計画論、その他いろいろ

地方にも自転車文化を広げていきたい。地方でも自転車が交通手段としてもっと活用されるようになってほしい。そのためにも地方についての自転車本を書いています!

 

いやはや超ひさしぶりのブログになってしまいました。一旦、忙しさにかまけてブログ更新を止めてしまうと、なかなか再開できない…。書こうと思うネタはたくさんあるにも関わらずです。なんとも情けない…いかんいかん。

 

ブログもうそうですが、自転車本の方も全然進展しておらず…。今年3月には「なるべく早く世に出せるよう頑張っていく!」って書いたにも関わらず未だに手についていません。今年ももう終わろうとしているのにです。

 

nomotoyasushi.hatenablog.jp

 

2年ほど前の2014年10月、原稿が一通り完成しようやく出版社を紹介していただき「やっとこれで世に出せる。あとは編集者と編集作業を進めていくだけ。春(2015年)には出せる」って思ってしまう(思い込んでしまう)段階まで来ていただけに、相当気が滅入ってしまい出版社探しになかなか踏み出せない状態が続いています。

 

今思うと、かなり考えが甘かったです。

 

「はじめに」を公開します

 

さて、一通り完成しながらも塩漬け状態となっている自転車本の原稿ですが、今回「はじめに」だけですがブログに公開いたします。

 

「はじめに」の前に「タイトルは?」って当然思われるでしょう。内容は地方での自転車活用について書いた本ですが、タイトルについては筆者の私でも「これだっ!!」って思える絶妙なものが未だ思いつかないのですよ。

 

『地方も自転車の時代へ』、『地方で自転車活用するには』、『地方だって自転車の出番はある!』、『地方自転車事情』などいくつかタイトル候補はあるのですが、いまいちピンと来ないなぁ…。

 

以下「はじめに」本文です。「目次」はさすがに非公開とします。

 

【 はじめに 】

 

昨今、自転車が世間を賑わせています。


それらは、「これからは車道を走るように切り替えていく。歩道は走れなくなる?」(現行のルールでも車道を走るのが大原則ですが…)、「違反自転車の取り締まりを徹底する」、「歩行者との事故で賠償金5000万円支払い命令」、「3人乗り自転車問題」だったりと必ずしも積極的で明るい話題ではないですが、とにかく日陰に隠れがちだった自転車が世間で注目されだした証だと言えるでしょう。

 

21世紀に入って自転車を取り巻く環境は大きく変わって来ました。京都議定書をきっかけにCO2を排出しない環境に優しい乗り物として認知され、脱メタボブーム、ガソリン高騰も大いに後押しするきっかけとなりました。東日本大震災のときも、機動力の高さから脚光を浴び被災地では入手困難な時期もあったようです。

 

自転車ツーキニスト」という言葉も生まれました。自転車ツーキニストの元祖(?)、疋田智さんが名付けた名称ですが、最寄り駅までママチャリで行くというのではなく、自宅から直接会社まで高性能な自転車を使って日々通勤するという自転車通勤スタイルも東京など大都市を中心にすっかり定着しました。

 

東京では、ロードバイククロスバイクで颯爽と大通りを駆ける自転車ツーキニストの姿は、もはや当たり前の光景となりました。自転車メッセンジャーも朝から晩まで東京の街を駆け巡っています。土休日となると、荒川や多摩川沿いのサイクリンングロードは自転車で埋め尽くされています。

 

前述の疋田さんによると、「東京では、この十数年で自転車は目に見えて増えた。私が自転車通勤を始めたころは他に自転車に乗っている人をほとんど見かけなかった」とのことです。それだけ、目に見えて大きく変化しました。

 

現在は落ち着いている感はありますが、ちょっと前まで「自転車ブーム」と言われていました。実際に様々な種類の自転車雑誌が創刊され、大都市を中心にプロショップが相次いで開店しました。休日には自転車イベントが各地で開かれています。

 

だけど、その自転車ブームは一体どこまで広がったのでしょうか?自転車ツーキニストの姿が全国津々浦々で見られるのでしょうか?

 

その答えは、残念ながら「全くもってノー!」と言わざるを得ません。

 

はっきり言いますが、自転車ブームは東京や大阪など大都会に限った現象です。何年経てども筆者が住んでいる高知県のような地方には、ほとんど広がっていません。伝わってきていてもかなり歪な形で伝わってきていたり、行政の取り組みも全くもって遅れていたりしています。

 

県庁所在地などの地方中核都市から離れた田舎町ともなると「自転車ブーム?そんなものどこにあるの?」という有様で、影も形もありません。ガソリン価格が高騰しようが消費税が増税されようが、自転車を積極的に活用しようという動きは全く起きず、相変わらずクルマにどっぷり依存したライフスタイルに浸っています。

 

非常にモッタイナイ話です。地方でも、自転車(電動アシスト自転車も含む)の出番は大いにあります。本当は、地方でも極めて便利で快適な乗り物で、クルマを凌ぐ利便性を発揮することもあります。取り組み次第では、大きく化ける可能性すら秘めています。

 

そうでなかったら、こんな本など書きません(笑)

 

本書では、日本における地方の縮図とも言える高知県の各地域を具体例に取り上げます。

 

地方小都市の事例として高知県香南市(筆者の住んでいるところです)、県庁所在地などの地方中心都市の事例として高知県高知市についてそれぞれ取り上げ、両者の比較を交えつつ「現在、自転車はどのように利用されているか?」、「行政の取り組みは?」、「なぜそのような状況になっているのか?」などについて、筆者の体験も含めて説明してきます。

 

それらをふまえた上で、「地方の自転車活用策は?」、「地方で快適な自転車ライフをおくるには?」などについても述べていきます。

 

そして、山間部の事例として「ごっくん馬路村」をはじめとしたゆず加工品で有名になった高知県馬路村についても少し取り上げます。山村でも自転車が出る幕は十分あるのです。

 

最後に、行き過ぎた地方のクルマ社会がもたらしている問題について、自転車のみならず公共交通機関やクルマそのものについても言及し、地方の交通社会のあり方をちょっと大風呂敷を広げて提言していきます。

 

東日本大震災以降、これまでのようにエネルギーを原発に依存する事は許されなくなりました。かといって莫大な石油を消費しCO2を排出する火力発電もこれ以上増やすわけにはいきません。より一層のエネルギー消費削減が求められています。そして、高齢社会に突入し医療費、介護費もうなぎ上りでその抑制も喫緊の課題です。

 

自転車はそれらを解決する一助になるものと確信しています。自転車を上手に活用できれば地方も大きく変わるかもしれません。

 

本書を通して地方でも自転車のよさに気づく人が一人でも増え、自転車の活用を考えるきっかけになれば幸いです。

 

以上です。いろいろ書いていますが、要点は以下3点です。

 

・地方も自転車活用にもっと目を向けようぜ!

・地方にも良質な自転車文化の定着を図りたい。

・根本的にクルマ(マイカー)に依存しない地方に転換していってほしい。

 

約2年前、編集者さまに「この原稿を眠らしてしまうのはもったいない」っておっしゃっていただけに、なるべく早く世に出せるよう頑張っていかねばと思います。

 

とさでん交通後免線・葛島橋付近で平日朝ラッシュ時の乗車具合を観察してみました。

 

昔からいうと減ったとは言っても、現在でも年間約600万人に利用者されており、市民の足としても定着しているとさでん交通路面電車。通勤通学の手段として現在も大いに利用され、ラッシュ時には次々と電車がやって来てそれなりに混雑しています。

 

2016年5月30日(月)、葛島鉄橋西側の歩道橋より観察

 

「朝ラッシュ時、路面電車は中心市街地方面への通勤通学でどれだけ利用されているか?」

 

それを把握すべく、定点観察して調べてみました。

 

観察した日時は、2016年5月30日月曜日。至って普通の平日です。時間帯は、ラッシュに差し掛かる7時手前からラッシュを過ぎた8時半過ぎまで。当日の天気は快晴で、朝からかなり暑く直射日光のあたる場所で長時間観察するのは、結構堪えました。

 

観察した場所は、葛島鉄橋東詰~知寄町三丁目間にあたる葛島鉄橋西側の歩道橋からです。地図の赤丸をつけた箇所です。ちょうど郊外の住宅地から市街地区間に差し掛かるところで、歩道橋もあり自動車に邪魔されず写真も撮りやすく、観察するにはもってこいの場所です。

 

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はりまや橋方面へ向かう電車ごとに写真を撮り、葛島橋を通過したおおよその時刻(時刻表より推定)と、始発とその時刻、終点を項目に記載し、混雑具合等についてコメントしていきます。

 

電停の位置関係が分かりやすいよう、路線図を転載しておきます。

 

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とさでん交通ホームページより転載)

 

[1]6時55分頃 文殊通6:49分発伊野行(602号)

 

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7時手前の6時55分頃に葛島橋を通過する電車より観察開始しました。まだ、ラッシュ時間帯ではなく文殊通発ということもあって空いており、座席にも十分余裕があります。乗車人数は20名弱というところです。

 

[2]7時1分頃 後免町6:35発朝倉行(605号)

 

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立ち客も見られますが、座席も空席が見られ、程よく乗っているという程度。後免町から来ているにしては乗ってないようにも思います。

 

[3]7時9分頃 文殊通7:04発鏡川橋行(213号)

 

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出た非冷房車。当日は5月末とはいっても、朝から結構暑く、冷房がないのは厳しいかも。乗車具合は座席が7割程度埋まる程度で20数名というところです。213号は、ツーマン運転していた時代の塗装を復刻しています。

 

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同じくとさでん交通の路線バスも来たので撮ってみました。おそらく潮見台発だと思います。小型のバスながらも乗車率は、座席が半分埋まっている程度。通勤通学の時間帯でもこんなものです。本数もかなり少なく「いかにバスが利用されていないか」という実態が見て取れます。

 

[4]7時16分頃 文殊通7:11発伊野行(617号)

 

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いよいよ本格的にラッシュに入ってきました。文殊通発ながらも座席はほぼ埋まり、前方では立ち客も見られます。

 

[5]7時18分頃 田辺島通7:08発枡形行(624号)

 

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朝ラッシュ時特有の系統で、文殊通と領石通の中間あたりの田辺島通発の枡形行です。上の617号と似たような乗車率です。

 

[6]7時21分頃 後免町6:55発鏡川橋行(619号)

 

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程々に混んできています。

 

[7]7時24分頃 文殊通7:19発朝倉行(802号)

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 多くの窓でブラインドが降りており、ちょっと分かりづらいですが、立ち客が数名いる程度の乗車具合です。

 

[8]7時30分頃 文殊通7:24発鏡川橋行(603号)

 

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暗くて分かりづらいですけど、立ち客はおらず座席は半分ちょっと埋まっている程度に思えます。ラッシュ時ながらもかなり空いてます。先発も文殊通発でしたので、そちらに集中したのでしょうか。

 

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直後に来た反対方向の後免町行・214号です。見事なガラガラぶり。

 

[9]7時34分頃 後免町7:06発鏡川橋行(621号)

 

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後免町から来ており、中心市街地にも7時45分頃と結構良い時間帯に着くこともあって、それなりに混んでいます。

 

[10]7時39分頃 文殊通7:33発伊野行(703号)

 

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通称「痛電車」と言われる、パチンコ・ホームランの広告電車。窓にもラッピングしているせいで車内の様子が分かりづらいですが、立ち客は数名見られました。

 

[11]7時40分頃 領石通7:24発枡形行(610号)

 

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またまた痛電車wwww ブラインド、ラッピングのダブルパンチで相当分かりにくいですが、後ろにも立ち客が見られるあたりかなりの乗車率だと思われます。枡形行の朝ラッシュ時特有の系統です。

 

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それにしても、反対方向は終点まで走る後免町行であってももガラガラすぎます。

 

[12]7時42分頃 後免町7:14発鏡川橋行(627号)

 

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アンパンマン電車の627号です。ブラインドが完全に降りており、かなり分かりづらいです。ブラインドのない入口ドアのところから見た感じでは、ピーク時だけにかなりの立ち客がいるものと思われます。

 

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627号が去った後、知寄町三丁目方面の様子を撮ってみました。それにしても大量のクルマ…。業務用車やバスも混じっていますが、ほとんどはマイカーです。こういう光景を見ると「都市内でマイカーを野放しにし過ぎている!」と思わざるを得ません。

 

[13]7時46分頃 文殊通7:40発朝倉行(607号)

 

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座席がほぼ埋まり、数名立ち客がいる程度。

 

[14]7時47分頃 領石通7:31発鏡川橋行(212号)

 

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またまた非冷房車による運用です。にも関わらず、かなり混んでおり立ち客ギッシリ。これで冷房がないのはちょっと…。

 

[15]7時49分頃 後免町7:21発鏡川橋行(616号)

 

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サイバラ電車の616号。かなりの混み具合で立ち客満載。中心市街地には8時頃に到着する便だけにかなり混んでいます。

 

[16]7時52分頃 領石通7:36発枡形行(207号)

 

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さっき非冷房車がやってきたばかりですが、また非冷房車がやってきました。昭和20年代の金太郎塗装を復刻させた207号。ブラインドが降りているため、観察しづらいですが、前方にも後方にも立ち客が見られるため、かなり混んでいるものと思われます。

 

[17]7時56分頃 後免町7:27発鏡川橋行(611号)

 

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この時間帯の電車は、中心市街地にちょうどよい時間帯に着くこともあってどれも混んでいますね。

 

[18]7時57分頃 後免町7:29発桟橋車庫前行(210号)

 

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はりまや橋(デンテツターミナルビル前)から桟橋線に入りそのまま車庫に帰る朝ラッシュ時特有の系統です。高知市東部方面から土佐中学・高校、高知工業高校、高知南中学・高校へ乗り換えなしで行け、通学の便を図っています。座席が埋まり、立ち客数名という乗車具合です。それにしても、200形には「とさでんカラー」は全然似合わないな…。

 

[19]7時59分頃 文殊通7:53発伊野行(701号)

 

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立ち客10名程度かな。

 

[20]8時1分頃 領石通7:45発枡形行(206号)

 

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前方にはブラインドがかかっていますが、立ち客数名というところだと思われます。それにしても、この15分間というもの、非冷房車が交互にやってきています。枡形行などラッシュが終われば入庫する運用に非冷房車が充当されているのでしょう。

 

[21]8時4分頃 後免町7:36発鏡川橋行(628号)

 

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多くの窓はブラインドが降りていますが、立ち客も見られ少なくともガラガラではないでしょう。

 

[22]8時7分頃 文殊通8:01発朝倉行(615号)

 

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文殊通発でピークを過ぎたため、結構空いています。

 

[23]8時10分頃 領石通7:54発枡形行(803号)

 

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座席が半分弱埋まる程度です。

 

[24]8時13分頃 後免町7:44発鏡川橋行(613号)

 

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とは言え、後免町からやって来るのは、まだ結構乗ってますね。

 

[25]8時15分頃 後免町7:47発鏡川橋行(612号)

 

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立て続けに後免町からやって来ます。窓へのラッピングとブラインドのダブルパンチでよく分かりませんが、立ち客がいるので座席が埋まっているのは確かだと思われます。

 

[26]8時18分頃 後免町7:49発鏡川橋行(208号)

 

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またまた後免町発の便です。座席が埋まり立ち客5名程度。結構頻繁に非冷房車がやってきますね。

 

[27]8時20分頃 文殊通8:14発伊野行(626号)

 

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10名程度の乗車です。

 

[28]8時23分頃 後免町7:55発鏡川橋行(2001号)

 

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さっきの文殊通発よりは乗っていますが、20名程度というところでしょうか。もうラッシュ時は過ぎましたね。

 

[29]8時26分頃 後免町7:58発鏡川橋行(801号)

 

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こちらも20名程度の乗車です。

 

[30]8時30分頃 文殊通8:24発朝倉行(601号)

 

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またまた20名程度の乗車具合。文殊通発にしてはよく乗っています。

 

[31]8時33分頃 後免町8:05発鏡川橋行(214号)

 

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意外にも立ち客がそれなりにいます。10分前、7分前に通過した便は全員座れていた程度の乗車具合でしたけど、なぜか8時半も過ぎた便がかえって混雑しています。中心市街地には8時45分頃着くので9時出社の人が集中して乗っているのかも?

 

[32]8時36分頃 文殊通8:30発鏡川橋行(620号)

 

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10名ちょっとの乗車具合です。タイミングを間違えて後方が切れてしまいました(笑)

 

[33]8時39分頃 後免町8:11発鏡川橋行(618号)

 

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約15名の乗車具合。この時間帯にもなれば完全にラッシュは過ぎたようです。

 

[34]8時43分頃 文殊通8:37発伊野行(605号)

 

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先ほどの618号で歩道橋からの観察は撤収しましたが、ちょうど知寄町三丁目電停付近で電車がやって来たので、ついでにもう一枚撮影。文殊通発の伊野行です。見たところ10名弱の乗車具合でした。以上をもちまして、今回の観察は終了いたします。

 

まとめ

 

ラッシュ時間帯に1時間以上観察して、改めて「通勤通学の手段として路面電車はよく利用されている」と思います。昔からすれば減ったとは言っても、現在も立ち客満載で走っており、時代に取り残された感はありながらも現役バリバリの都市交通としての健在ぶりが伺えます。

 

7時前から8時にかけての約1時間に、20便の電車が運行されています。それに平均で約30人乗っていれば約900人、平均で40人乗っていれば約1200人もの人々が、高知市郊外部から中心市街地へ向けて移動してることになります。

 

これを一人乗りのマイカーで裁こうと思えば、新たに片側二車線追加する必要があります。仮に電車の軌道を剥がしても片側一車線しか追加できないので、マイカーに置き換えたらたちまち破綻してしまいます。加えて「街中の駐車場どうするの?」っていう問題も。

 

バスで運ぼうと思っても、路面電車の1両よりは乗れる人数は限られますので(乗ろうと思えば乗れるけどね、相当ヤバイ混雑になりますよ…)、電車よりも増発する必要がありますし、そもそも他の自動車に揉まれて快適に走れず、定時性にも難ありまくりで利用者からの信頼も電車ほど得られないでしょう。結局は住民から相手にされなくなりあまり利用されなくなってしまことに…。現実、高知市都市圏の路線バスはまさにそのような状態に陥っています。

 

つまり、マイカーにもバスにも出来ないことを路面電車は平然とやってのけているわけですね。他の交通に邪魔されない専用の走行路を持ち、収容力もそれなりに高いのは、やはり大きな強みです。どんどん落ちぶれていった路線バス(とさでん交通のバス路線全部あわせても電車よりも利用者数は少ないという惨状ぶりです!)を尻目に、今もよく利用されているのは「電車だからこそ」っていうのが大きいでしょうね。

 

ほんと、これまで残ってくれてよかったと思います。車両の老朽化・設備の貧弱さ(下のリンク参照)と色々問題は抱えていますが、路面電車の良さを継承しつつそれら問題点を克服し、新しい時代に通用する都市交通へ進化を遂げることを期待しています。その辺は、後ほどまた書きますね。

 

nomotoyasushi.hatenablog.jp

 

とさでん交通路面電車の平均車齢は50年超!置き換えは待ったなしですが、単純に新車に入れ替えるだけでは…。

 

とさでん交通(旧土佐電鉄)の路面電車には、2016年5月現在で計63両の車両が在籍してます。そのうち、外国電車や事業用などをのぞいた通常の運行に使用されている車両は58両在籍しています。

 

その内訳です。

 

100形:1両(2002年製造)

200形:14両(1950〜1957年製造)

590形:2両(1957年製造)

600形:29両(1957〜1964年製造)

700形:3両(1958年製造)

800形:4両(1959年製造)

1000形:2両(1981年製造)

2000形:3両(2000〜2004年製造)

 

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(200形207号、201号 2016年3月9日 はりまや橋

 

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(600形614号 2016年3月9日 はりまや橋

 

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(2000形2001号 2003年12月29日 知寄町一丁目)

 

約9割の車両が車齢50年超と老朽化はかなり深刻

 

比較的新しいのは、100形(ハートラム)、1000形、2000形の合計6両だけ。それ以外の52両はすべて、車齢50年を超えた老朽車両ばかりです。

 

割合にすると、なんと約89.7%が車齢50年超!!!!!! 

 

約9割を占めるご老体電車が、依然主力として君臨しているのが、 とさでん交通路面電車の実態です。

 

1000形、2000形も車体こそは新製ですが、台車やモーターなど足回りは200形などの流用品でメカニズム面では旧式にあたるため、本当に新しいと言えるのは超低床電車の100形(ハートラム)ただ1両のみという有様です。

 

全国の路面電車事業者と比べてみても、平均車齢の高さは堂々(?)の1位です。

 

参考:路面電車在籍車両平均車齢比較

 

他の路面電車事業者でも、旧型電車は多数残存していますが、例外なく1980年代以降に新型電車(岡山電軌や長崎電軌のように機器流用車ばかりの場合もありますが)や超低床車を一定数導入しており、それなりに改善が進んでいます。

 

最も状況が厳しそうに思える、富山県高岡市万葉線ですら半数が超低床車に置き換わっています。もともと車両数が11両と少なく置き換えやすい事情はあるにせよ…。

 

つまり「とさでん交通」の路面電車は、 戦後から高度成長期半ばにかけて集中して車両を新製した以降、本格的な置き換えの機会に恵まれず、冷房化などの改造を実施しただけで延々と使い続け、21世紀になって15年以上経過した今まで来てしまいました。

 

1000形は5両導入する予定だったようですが初回に導入した2両で中止になり、2000形も当初10両導入する予定でしたが、財政難などの理由により3両で中止になっています。超低床車のハートラムは1両きりで、ほんとに「試しに入れてみた」だけ。

 

その結果、この南国高知にありながら冷房を装備してない(!)200形が12両も未だに運用されているという始末。それが真夏の日中に本線で運用されていることもあったりするので驚きです。それに乗った人の多くが「えっ!?冷房ないのかよ…」って言ってますよ。

 

そんな問題ありまくりの車両ですら置き換えがままならないほど財政状況は厳しく、2005年当時で車齢50年近いながらも「冷房がある」という理由で名鉄のモ590形を購入したほどです。

 

路線バスの方も、30年選手が登場するなど老朽化はかなり深刻ですが、こちらは一定のペースで新車を入れているので、まだマシと言えます。

 

参考:よもやの移籍~~名古屋鉄道モ590 土佐電鉄へ

 

「大昔に導入した車両を騙し騙し使い続け、なんとか今まで生き長らえてきた」というのが、とさでん交通路面電車が置かれている実態です。

 

これ以上の先送りはそろそろ限界では?

 

現在でも、それら老朽電車の置き換えの目処は全く立っていないようです。補助金を活用しても、会社負担分が捻出できないほど状況は厳しいという話を聞いています。とさでん交通になった後に「超低床車導入を検討中」だの話を耳にしますが、特に具体化しているわけではありません。

 

正直なところ、「ボロ電車だらけで今後どうする気だよ…」って思います。鉄道趣味者としての観点からも「古い電車が多数残っていて、風情があっていい」なんて、もはや思わないレベルです。ぼくも200形も600形も好きですし、すっかり「高知の顔」になっていることは認めますが、それらばかりではいい加減ボロ過ぎます。

 

省エネ、省メンテナンスともに無縁な旧型電車、もうさすがにいつまでも使い続けるのは無理があるでしょう。本格的な置き換えは急務かと思います。それも、10両とかいうレベルではなく、7割以上を更新するくらいの規模でないと。

 

新車導入は設備の近代化とセットでの検討を

 

しかし残念ながら、単純に老朽車両を新車に置き換えただけでは、「都市交通機関としての未来はない!」と考えています。

 

何しろ設備が貧弱過ぎます。

 

市街地はともかくとして、郊外区間「時代に取り残された感」がハンパありません。「その点を改良しないことには」と思うのです。

 

とさでん交通の本線(後免線・伊野線)は、市街地だけでなく、はりまや橋から約11km離れた後免町や伊野まで路線を伸ばしており、郊外電車としての性質を持っているのが特徴です。

 

だが郊外部になっても、一見すると砂利と枕木が見えており専用軌道に見えますが、ほとんどの部分は軌道法上は併用軌道のままです。

 

最高速度は40km/h止まりで、交通信号にも従う必要があります。如何せんカーブだらけで線形も悪く、見通しの悪い路地や民家の玄関が軌道脇にあったり、対向する自動車とほとんど間隔が取れなかったりするので、まともに速度は出せません。むしろ市街地の方が、線形がよく見通しがいいので速いくらいです。電停の間隔も、市街地と変わらず短いままです。

 

後免線郊外部の前面展望を撮影した動画がYouTuteにありましたので貼っておきます。

 

youtu.be

 

要するに、「郊外区間になっても路面電車の駅間や速度のまま」で、終点までかなり時間がかかります。はりまや橋から後免までは約35〜40分、同じく伊野までは45分もかかってしまいます。空いてればクルマで20分もかからない距離を倍もかかっているようでは、現代に通用する都市交通機関とは言い難いです。

 

現在はそんなことないですが、たまに中学高校時代は市内区間から後免町まで乗ると、いつも遅すぎてイライラしてました。「快速を設定しろー」ってね。

 

そういうこともあって後免線の場合、市街地から後免(南国市)まで乗り通す人は少なく、市街地内や市街地から高須や大津あたりまでの利用がメインになっています。

 

「市街地外れの住宅街に住む通勤通学客や高齢者相手に細々と生き長らえている」という状況です。かつては、高知市中心街〜後免町どころか鉄道線の安芸線にも乗り入れて、高知市中心街〜野市、手結(夜須)、安芸までの交通需要を担っていたのが今となっては信じがたいくらいです。

 

ノーガード電停も依然多く残るなど、安全面でも問題ありまくりです。

 

 

これでも以前からすればかなり減りました。1990年代中頃まで、後免線の郊外部は篠原〜後免西町間の専用軌道部分を除いて、後免方面行きはすべてノーガード電停と言う惨状でしたから。死亡事故もたびたび起きていました。しかし、現在に至るまで撲滅には至っていません。

 

そういうこともあって、単に低床の新車を入れただけでは、都市交通手段として機能面の向上はほとんど期待できません。ただ老朽車両が置き換わっただけ。乗り降りがしやすくなって、乗り心地は良くなるでしょうけど、それ以上でもそれ以下でもありません。

 

 

根本が開業時の明治時代の設備のままで、今の今までほとんど何も改良して来なかったのですから当然です。 

 

とにかく、郊外部の近代化・高速化(市街地区間も幾分はスピードアップが必要)を考えないことには、新車を導入したところで先細っていくばかりでしょう。

 

個人的には、高知の路面電車が今後も通用する都市交通手段へと大躍進するには、本線(後免線・伊野線)に関しては、郊外区間の改良に加え、東側はかつて後免町から鉄道線の安芸線に直通していたように、その生まれ変わりと言える「ごめん・なはり線」へ直通して安芸や奈半利まで走り、さらにはJR土讃線土佐山田方面や空港線を新設し高知龍馬空港まで乗り入れ、西側も旭町〜朝倉間を新線への改良の上、朝倉からJR土讃線の伊野・佐川方面や高岡新線(高岡を経由する土讃線の新線案)に直通して、一体化したネットワークを構築し、郊外電車的な性質をさらに発展させていくのが望ましいと考えています。

 

桟橋線も短すぎて都市交通としてあまり機能していません。北はイオン・一宮方面、南は桂浜まで延伸したいところです。

 

そうなると、当然いろいろと課題は出てきます。車両限界の問題(最大幅2300mmでは狭すぎる!路線バスよりも狭い!)、路面電車と鉄道線のホームの高さの問題、土讃線ごめん・なはり線の電化の問題、電化した場合の架線電圧の問題、編成長の問題、そもそも財源の問題など。財源に関しては簡単に述べますが、整備に於いては公共交通整備の社会的便益をきちんと評価して、道路建設予算(特に高速道路の4車線化する予算)を転用するなどして公共のインフラとして投資していく必要があると考えています。

 

ごめん・なはり線土讃線へ直通運転を考慮した場合、本線で運用する車両は、性能、サイズ、車内設備、最大編成長ともに「チンチン電車(ストリートカー)的なもの」から一線を画す内容が求められます。

 

情報量が多すぎて一遍には書けないので、それらについて順次書いていきます。

 

そろそろまとめますが、そのあたりをきちんと煮詰めていかない以上、闇雲な置き換えは避けた方がいいかと思います。特に、ホーム高さの問題以前に、車両限界の狭さをなんとかしないことには…。

 

現時点で車両の更新が止まっていることは、「不幸中の幸い」という見方もできます。車両を一新する機会に、既存の車両規格や性能にとらわれることなく、設備改良を含めたトータルでの近代化がやりやすいわけですから。(財源の問題は、また別ですよ)

 

 

とは言っても、やはり老朽化は深刻で待ったなしの状況ですので、まずは今後も使用を見込まれる1000形、2000形、600形後期型(622〜631のナニワ工機製。廃車済の629は除く。自社製の前期型と違って車体の歪みなどが見られず状態が良い)あたりに関しては、都電7000形(改良後7700形に形式変更)やJR四国121系(改良後7200系に形式変更)のように足回りの近代化(VVVF化&台車新製)を実施していってはどうかと。