「クルマなしでも生活できる地方都市」は移住者の視点からも魅力的だと思います。
昨年6月、プロブロガーのイケダハヤトさんが東京から高知へ移住してきました。今年7月より嶺北地域の本山町へと再移住していますが、当初は県庁所在地である高知市内に居を構えていました。
実際に移住してみて、ブログ記事やTwitterで「高知での暮らしが便利で快適すぎる!」「デメリットは皆無!」「幸せすぎて困惑」などと高知での暮らしぶりを大絶賛されています。
その中でも「コンパクトシティでなので徒歩と自転車で暮らしが完結する」という、地方でありながらクルマなしでも生活できることを大いに評価されていました。
地方は車が必須だと思い込んでましたが、高知市内は車不要です。自転車の相性抜群。街のコンパクトさは、移住にあたっての大きなポイントだと思います。
— イケダハヤト (@IHayato) 2015, 1月 31
何度でも強調しますが、高知市中心部はすげー便利!です。自転車だけで生活できるし、買い物にも困らない。病院の数も全国トップクラス。家賃も東京に比べたらかなり安いです。改善できることがあるとしたら、雨でも遊べる子どもの遊び場が少ないことくらいですかね…。
— イケダハヤト (@IHayato) 2014, 9月 6
ブログにも書いたけど、高知の市街地に住んでから、日頃の交通費がゼロになりました。徒歩と自転車で生活が完結する心地よさ!先ほど移住してきた方とお話してたのですが、やはりこれはメリットに感じるとのことでした。
— イケダハヤト (@IHayato) 2014, 7月 9
移住者の視点でここまで高い評価を得られていることは特筆に値すると思います。
前記事で「地方はクルマを持たざるを得ない社会になっている」ことを問題として取り上げましたが、実のところ高知市については現在でも十分に「クルマ(マイカー)がなくても生活できる街」なのです。
実際に、自宅も職場も市街地内にあるならば、クルマを持たなくても全然生活できてしまいます。スーパー、コンビニ、ドラッグストア、書店、郵便局など普段利用する店舗や施設も自転車でちょっと走れば到達できるほど市街地内には多く点在していますし、郊外から中心街までもゆっくり走っても30分ほどで行けるほどです。
欠点があるとすれば、高知はよく雨が降ります(それも突然に!)ので常に雨に備えた用意が欠かせないのと、やはり公共交通が路面電車沿線以外は極めて不便なので、クルマやオートバイなしで生活するには「自転車しか事実上選択肢がない」ということ、休日に郡部へお出かけとなるとそれこそ不便極まりないということでしょうか。
高知市が真にクルマがいらない街になるには都市圏全体で公共交通がまともに機能することが必要不可欠ですが、とりあえず自転車に乗ることができればクルマなしでも生活する上で全く困らないことは事実なのですよ。ぼくも高知市に住んでいれば、市街地内では専ら自転車生活するかと思いますね。
生活するにあたってクルマが特にいらないことは、地方への移住者を受け入れるという面ですごく大きなアドバンテージの一つではないでしょうか。
大都市から地方へ移住ですと、移住前はクルマを持っていない、持っていても一家に一台だけという場合が多いかと思います。
移住先が「クルマは絶対必須です!」という地域ですと、移住にあたって新居を探す他、クルマを入手しなければなりません。新たに新車を調達すれば超高額な出費となりますし、中古車を探すにしても移住前に不動産屋めぐりに加えて中古車屋めぐりもする必要があります。場合によっては、駐車場を別途借りる必要もあるでしょう。
費用といい手間といい、結構大きなハードルですね。
移住の理由が「田舎で農業や漁業やりたい!」と明確ならばそもそもクルマが必要ですので問題はありませんが、それ以外の「地方で就職し生活したい」という移住希望者にとっては、クルマがなくても生活できる方がははるかに気軽に移住しやすい地域と言えるでしょう。最初は、新居と自転車さえ確保すればいいのですから。
年々人口が減少し続けている高知県。70万人を切るのも時間の問題です。人口減少に歯止めをかけるべく移住しやすい地域づくりをしていくという面でも、高知市都市圏はクルマがいらない交通社会を目指していくことが求められると思いますね。