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脱クルマで地方は豊かになる!

地方の車社会、公共交通、自転車活用をはじめとする交通論・都市計画論、その他いろいろ

地方小都市ではガソリン価格高騰も自転車ブームの後押しには全くつながりませんでした・・・。

 

ガソリン価格高騰も全く追い風にはならず

 

そんな自転車が交通手段としてほとんど活用されていない香南市、ガソリン価格が高騰した時はどうだったのでしょう?

 

2005年ごろから原油価格がじわりじわりと上がり続け、2008年夏ごろピークに達しました。値上げ直前のガソリンスタンドの行列が一種の風物詩にもなっていたのは記憶にも新しいでしょう。

 

高知県ではレギュラーガソリンの価格が、最大で180円近くまで高騰したように思います。下の写真は、当時ではなく2014年10月のものですが、この頃も2008年に匹敵する価格にまで上がっていました。

 

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高知市内のガソリンスタンドにて 2014年10月3日撮影)

 

原油価格の高騰は、庶民の懐だけでなく、漁業など産業界全体に大きな影響を与えたのは言うまでもありません。ピーク時には、首都高をはじめとする都心の渋滞も目に見えて減り、行楽地へのアクセス手段も鉄道利用が増えたと言うではないですか。

 

それだけに、クルマの使い方を考え直すきっかけになり、ガソリンを消費しない自転車に注目が行くのも当然のことでした。

 

原油価格の高騰も、京都議定書、脱メタボブームと並んで、自転車ブームを後押しした要因であるのは間違いないでしょう。

 

さて、香南市のような地方の田舎町でも、自転車を見直すきっかけになったのでしょうか?香南市内で自転車に乗る人が目に見えて増えたのでしょうか?

 

残念ながら、答えは「完全にNo!」です。

 

自転車に積極的に乗ろうというムーブメントはこれぽっちも起きませんでした!

 

相変わらず高い高いガソリンを消費して、クルマを走らせていました。

 

ピークが去りガソリン価格がだいぶ落ち着いた2009年4月ごろに、たまたま香南市内の二輪車店(オートバイ・自転車両方取り扱い)の店主に話しをうかがってみました。

 

「(ガソリン高騰時も)特に何も変わらなかったですねー。まあ、田舎ですからねー。なかには、長年使っていなかった自転車を復活させようと修理を頼む人や、新たに原付を購入する人はいましたけどね。でも、いても数人。こんなもんですよ」

 

この短い文言に、地方の田舎町のクルマに依存しきったライフスタイルの強固さよくあらわれていますね。ガソリン価格が上がったところで、クルマに依存しきった習慣を簡単には変えようとはしないようです。

 

実際に、とある知り合いの一人も、

 

「(ガソリン価格が上がっても)近場であっても自転車で行こうとなどと全く思わなかった。クルマがあるので当然クルマで行く」

 

と言い切ったくらいです(笑)

 

その後、ガソリン価格は一旦はレギュラーでリッター120円台まで落ち着いたものの、上がったり下がったりを繰り返しており、15年以上前の感覚からすればかなり高いレベルにとどまっています。給油量の少ない原付二種ですら「高くなったなぁ…」と感じるくらいです。そして、消費税も上がり物価も全体的に高騰しています。

 

しかし、現在に至るまで自転車を活用しようという気配はまるでなく、クルマにべったり依存したままというのが地方小都市の現実のようです。

 

自転車で走るには道路環境も良好で町の規模も程よいのですが…

 

大人の方がほとんど自転車に乗らないと言っても、香南市が自転車で走るのに決して過酷な環境で不便極まりないということは全くありません。

 

むしろ、実際には自転車にとっての走行環境は快適そのものです。

 

地方小都市(田舎町)の自転車事情。高校卒業とともに自転車も卒業してしまうのが現実です。でも述べたように、市街地はほぼ平坦な地形でアップダウンがほとんどありません。その時点で自転車にとっては極めて快適な環境です。

 

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(2015年7月14日撮影)

 

国道と一部の県道以外は交通量も少ないですし、信号も少ないのでストップアンドゴーもあまりなく快適に巡航できます。安心して車道を走れるため(そもそも歩道がある道路自体が少ないですが)、自転車本来のスピードで快調に巡航可能です。

 

国道こそ車道を走るのはちょっと怖いので、スピードが出せず舗装状態も悪い歩道走行を強いられますが、その他の県道、旧街道、農道、自転車道、どの道路もものすごく走りやすいです。

 

香南市の道路の写真をいくつか載せます。主要県道や旧街道、農道の様子ですがどれも自転車で走るのに非常に快適です。

 

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(県道22号・野市町・真っすぐ行くと龍河洞方面)

 

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(県道30号・野市町・香宗川沿い)

 

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(旧夜須町の旧街道・すぐ左側を国道55号が並行)

 

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(旧香我美町徳王寺の農道・行政区分上は市道)

 

小学生の頃は主に旧夜須町内(子供同士で町外へ出ないようにという学校の規則がありました)、中学校以来は香南市内を通学自転車(ママチャリと通学自転車は似ているようで結構違うので区別します)で走ってきましたが、香南市内が自転車で走るのに走りにくくて不便だと感じたことは全くもってありません。

 

そして、香南市の都市規模も自転車にとって実に適しています。

 

様々な都市機能が集中している旧野市町の中心部(香南市役所本庁やのいち駅がある付近)を基準にしてみましょう。

 

まず、旧野市町中心部からまっすぐ南に位置する旧吉川村中心部との距離は、3km弱です。道のりは完全に平坦。厳密に言うと、海岸部に向かってゆるらかに下っていますが。通学自転車で走っても10分ほど。全く問題なく走れる距離です。

 

次に、かつて香南地方の商業地として栄えた旧赤岡町中心部とは3km強で、旧吉川村とほぼ同等の距離です。香南市の穀倉地帯である旧香我美町中心部とは、約4.7km。

 

そして、ぼくが住んでいる旧夜須町中心部とは約7km。通学自転車やクロスバイクでだいたい20分ちょっとといったところです。ママチャリでゆっくり走っても約30分くらいです。

 

筆者にとってこの道のりは中学生のころから当たり前に走っておりもはや慣れたものです。中学生、高校生のころは、旧夜須町には存在しない書店やゲーム屋に行く為に休日にはよく旧野市町中心部に行っていました。高知市へ行くことも多かっですが途中までは全く同じ道を走ります。目をつむっても走れるくらいです。(むろん、危ないのでそんなことはしないですが…)

 

旧野市町は香南市内では最も西に位置し、旧夜須町は最も東に位置します。端から端まででも約10kmと、市内を横断してもこの程度の規模のコンパクトな自治体です。

 

さらに、西隣の南国市の中心部後免町までは、のいち駅から約5.5kmで完全に平坦な道筋で、通学自転車やクロスバイクで走ると約15分といったところです。北へ行った香美市の中心部土佐山田地区までも同じく約5.6kmとほぼ同じ距離で所要時間もほぼ同じですが、河岸段丘を跨ぐため多少のアップダウンはあります。

 

隣町もごく近い距離です。

 

市内を走るにも隣町へ行くにも自転車にとって適度な距離で、道のりもほぼ平坦です。香南市は実に自転車で走るのに向いている町といえます。雨の多さと冬の風の強さは弱点ではあるのですが…。

 

それなのに、自転車がまるで使われていないのが現実です。モッタイナイ話だと思います。

 

とは言っても、現実がそうなっているのには、大きな理由があります。むしろ必然の結果です。