地方の公共交通を立て直す!@高知家

地方の車社会、公共交通、自転車活用をはじめとする交通論・都市計画論、その他いろいろ

昼間はガラガラすぎる「ごめん・なはり線」。沿線の交通需要を公共交通が上手く取り込めていません。

 

4月2日(土)、香南市香我美町で毎年開催されている「かがみ花フェスタを見てきました。香南市に住んでいながらも、見に行ったのは今回が初めてです。あまりにも近所過ぎるとかえって行かないものですね。

 

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とある愛媛県在住の方が「道後温泉?10年以上行ったことないですよ。高知県民が桂浜や高知城へ全然行かないようなものでしょう」と言っていましたが、まさにそういう感じですね(笑)

 

かがみ花フェスタ会場から「ごめん・なはり線」の車両を撮ってみた

 

花フェスタ自体の写真は、後ほどアップするとして、会場は土佐くろしお鉄道「ごめん・なはり線」香我美駅の目の前にあります。会場内からも駅に停車する車両を奇麗に見ることができます。

 

最初は花フェスタ会場の写真だけ撮っていましたが、列車が来るとやっぱり目が行ってしまいます。公共交通やクルマ社会についてのブログを書いているだけにです。

 

帰る間際になって、ブログのネタにしようと思いつき、会場内で2回写真を撮ってみました。

 

15時22分発・後免発安芸行各駅停車

 

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見ての通り、見事なくらいの空気輸送状態です。右半分ののロングシート部分はおそらくゼロ、クロスシート部分も5人も乗っていないものと思われます。

 

この便に限らず、昼間の後免駅発着の各駅停車は、平日・土休日問わずいつ見てもガラガラです。

 

夜須駅近辺で見ても、数人しか乗っていないのがむしろ当たり前です。

 

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上の写真は、2015年4月9日(木)に撮影した、夜須駅15時17分発・安芸発後免行各駅停車。見たところ2人くらいしか乗っていませんでした。閑古鳥もいいところです。

 

決して、ガラガラなのを狙って撮ったわけではないです。平日、土休日問わず、昼間の各駅停車はどれも惨憺たる乗車率です。

 

各駅停車は、高知市内まで行くには、後免駅(もしくは後免町駅)で乗り換えが必要なため、「ごめん・なはり線」内相互駅間での利用が中心だと推測されますが、線内の相互駅間での利用は極めて少ないと言うことでしょうね。

 

15時43分頃発・奈半利発高知行快速

 

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快速は本来香我美駅は通過しますが、この日は花フェスタ開催期間中かつ土曜日のため、便宜を図って特別停車していました。そのため、発車時刻は時刻表に乗っておらずあくまでも推定で「頃」としました。

 

快速はJR土讃線高知駅まで直通するだけに、そこそこ乗っています。

 

と言っても、まだまだ座席に余裕があるほどの乗車率に過ぎませんが…。のいち駅でかなり乗車があるので、そこからは立ち客が出るほどには混むかと思われます。

 

15時59分発・高知発奈半利行快速(夜須駅で撮影)

 

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高知行の快速列車を撮影した後、会場を後にし帰宅途中でちょうど夜須駅に列車が来たのもう1枚撮ってみました。夜須駅15時59分発・高知発奈半利行快速です。

 

見たところ、10〜15人程度の乗車。うーん…、あんまり乗ってないなぁ…。

 

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上の写真は、2015年4月9日(木)に撮影した夜須駅15時01分発・高知発奈半利行快速です。10人も乗ってません…。

 

JR高知駅に直通する快速は、後免駅発着の各駅停車よりは乗っていますが、それでもこの程度です。やっぱりガラガラ…。後免~のいち間は、それなりに乗っていますが、そこを境に一気に減ってしまいます。夕方の帰宅時でも半分以上、のいち駅で降りているような気がします。

 

沿線の交通需要を公共交通が上手く取り込めていません

 

ごめん・なはり線」は、朝夕こそは通勤通学(通学の方が圧倒的に多いですが)で結構利用されています。実際、開業後に増便や増結が幾度と実施されているほどです。

 

沿線の人口減少にも関わらず、年間の利用者数は微増を続け、年間の経常損益も5000万円程度の赤字と三セクのローカル線にしては随分と健闘しています。

 

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 (筆者作成)

 

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http://gikai.pref.kochi.lg.jp/_files/00052535/201206koukyou_saishyu.pdfより引用)

 

しかし、昼間や休日の利用は芳しくありません。定期外での利用が思わしくないようで、実際にデータを見ても横ばいを続け全く伸びていません。

 

でも、ここまで昼間の時間帯や休日に利用されていないのは、やっぱり外から見ていて(もちろん自分が乗っていても!)モッタイナイと思います。

 

ごめん・なはり線」は、何も山奥の人口希薄地帯を走っているわけではありません。高知県東部地域の最も人口が多い海岸部を通っています。交通需要自体は決して少なくはなく、その証拠に並行する国道55号や高知東部自動車道には、クルマはひっきりなしに通っています。

 

にも関わらず利用が芳しくないのは、潜在的な交通需要がありながらも、それを公共交通機関である「ごめん・なはり線」(とさでん交通のバス路線「安芸線」も同様です)が、全くと言っていいほど取り込めていないということです。

 

確かに沿線は完全なクルマ社会。なんでもかんでもクルマというライフスタイルですので、ある程度は仕方ないのですが、それにしても利用されなさ過ぎだと思います。

 

ぼくも沿線住民の一人なので、利用が敬遠される理由はよく分かります。乗る人は乗るけど乗らない人には全く見向きもされていません。

 

それは、ダイヤ面というよりも運賃面や他の公共交通との連携面での問題が大きいのですよね。そこを改善すれば、利用者は大幅に伸びる可能性があるだけに、「非常にモッタイナイ!」って思います。