地方の公共交通を立て直す!@高知家

地方の車社会、公共交通、自転車活用をはじめとする交通論・都市計画論、その他いろいろ

高知市内ではママチャリでも思ったほど遅くはないですよ!都市交通手段として十分通用するレベルです。

 

前記事、「ママチャリ、クロスバイク、クルマ、それぞれの所要時間、地方主要都市・高知市ではどうなるのか?」実際に走って調べてみました。 の続きです。      

 

  ここまでは、計測前からだいたい予測はついていました。東京のような大都市、高知市のような地方中核都市問わず、市街地ではスポーツ自転車とクルマとの時間差はほとんどないという事実は、前から知られていることですしね。  

 

「ママチャリも意外にも遅くはない!」という事実

 

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しかし、ママチャリのチンタラ走行でも言うほど遅くないというのは、実際に計測してみて分かったことです。

 

前回でも詳しく取り上げた、[4]はりまや橋交差点~サンシャイン福井前を、もう一度見てみましょう。

 

ママチャリの所要時間は20分47秒、クロスバイクは同じく14分18秒、クルマは13分14秒という結果となりました。

 

つまり、4km半近くも距離がありながら、ママチャリでチンタラチンタラとヤル気なく走っても、クロスバイクと比べても約6分、クルマと比べても約7分遅いだけなんですね。

 

クルマで走ろうが、クロスバイクで頑張って速度を出して汗びっしょりになろうが、たった6、7分しか短縮しないわけですよ。

 

中心市街地へ行く場合、クルマで行っても、駐車場へ停めてそこから目的地へ歩くことを考えたら、7分くらい短縮しても帳消しになってしまします。自転車は事実上、目的地の目の前やすぐ近くに置けますので、極めて便利です。駐車場代もかかりませんしね。(「自転車も、本当は駐輪場に停めないかんやろう」とツッコミが入りそうですが、その件はさておいときます)

 

この区間は、ママチャリの速度でも十分通用します。無理して飛ばすことはないですよ(笑)

 

路面電車の所要時間とほぼ同じ

 

次に、[3]はりまや橋交差点~高知大学前(朝倉)を見てみます。

 

ママチャリ26分29秒、クロスバイク17分9秒、クルマ14分53秒でした。

 

計ってみてビックリでした。距離が結構あります(約5.62km)ので、ママチャリはクロスバイクの倍はかかると思っていました。それだけに、「ママチャリでもこの程度の時間で行けるのか!?」というのは、一種の発見でもありました。

 

加速もヤル気なくダラダラと、巡航も15km/h未満の超ヤル気なさげに走ってこれですよ。ヤル気満々で走ったクロスバイクに比べて約9分遅いだけ、倍率では約1.5倍がかかっているだけです。クルマに比べても約12分遅いだけ。12分程度の差なんて駐車場のことを考えたら実質数分差まで縮みますね。

 

案外、ママチャリ速いじゃないですか!!

 

どういうことかと言いますと、ママチャリの速度で走ると信号待ちで停まることが、それほどないのです!前方の信号が赤でも、交差点に差し掛かるころには、ちょうど青にかわるような感じです。行路は信号だらけですが、意外にも止まることは少なかったですね。

 

ちなみに、この約26分と言う所要時間、路面電車の「はりまや橋~朝倉間」も約26分なので、ほぼ同じなんですよね。

 

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(とさでん交通HPより)

 

この表には載せていませんが、「知寄町~はりまや橋」は、路面電車はだいたい6~7分ほど、ママチャリは8分ほどですので、市街地では路面電車とママチャリの平均速度はほぼ同じのようです。

 

クロスバイクで流す程度がちょうどいい

 

他の区間も、ママチャリとクルマの時間差は、だいたい10~15分ということろに収まっています。倍率にすると2倍程度です。[5]はりまや橋交差点~前里交差点(イオン前)ほどの短距離(約2.28km)の場合、わずか数分しか違いません。

 

高知市内では、ママチャリ速度でも十分都市交通として通用するのですが、15分の差になるとそれなりに差はあります。もうちょっと短縮したいところです。

 

実際はママチャリであっても、もう少し短縮可能です高知市内で所要時間を短縮するには、闇雲に速度を出してもあまり意味はなく、信号が赤に変わる前に交差点を抜けれる程度に速度を出すのがコツです。

 

調査では、オバちゃんのママチャリを想定してわざとかなり遅く走りましたが、実際はママチャリであっても、もう少し速く走れます。サドルを上げ、タイヤの空気をパンパンに入れ、チェーンの油をさすだけで、平地ですと20km/h程度で普通に巡航できます。(当然、その速度になると歩行者に脅威を与えるので、車道走行に切り替えるべきですが)

 

それだけで、抜けれる交差点は増えるので、クロスバイクの所要時間に結構近づくかと思います。

 

高知市内では、自転車に性能の高さはさほど求められていないようです。香南市と違って、ママチャリや通学自転車が日常の足として当たり前に使われている事実がそれを物語っています。

 

ママチャリでもいいのですが、クロスバイクなどスポーツ自転車の方が軽快に走れるので、はるかに快適なのは事実。高知市内はいくら平坦な地形と言っても、橋の前後では結構急勾配なので、そこを超えるにはクロスバイクの方がはるかに楽ですしね。

 

クロスバイクで適度に流しながら(20~25km/h程度)走るのが、高知市内では最も所要時間と快適性の上でのバランスがとれた自転車の乗り方だと言えます。

 

やっぱり高知市内は自転車がすごく便利ですね。