地方の公共交通を立て直す!@高知家

地方の車社会、公共交通、自転車活用をはじめとする交通論・都市計画論、その他いろいろ

「自転車=ママチャリ」と捉えていては、香南市のような地方小都市で自転車が利用されないのは当たり前です!

  

日本国内で最大のシェアを誇る自転車は無論のことママチャリでしょう。

 

一般にママチャリと呼ばれている自転車には、買い物タイプと通学タイプがありますが、当ブログでは特に、買い物タイプを「ママチャリ」として扱います

 

通学タイプは「通学自転車」と呼ぶようにします。

 

両者をひっくめる場合は、「一般型自転車」と呼ぶようにします。

 

区別する理由ですが、買い物タイプはどこまで行ってもママチャリですが、通学タイプの方は、結構快速ランナーでクロスバイクに準ずるくらいのスペックを持ったものも多く(大ハズレなものもありますが…)、似ているようでかなり違うのですよ。

 

ママチャリと言うとどんな光景を思い浮かべるでしょうか・

 

ママさんやオバちゃんがスーパーへの買い物、保育園への子どもの送迎などに、高校生が通学に(一文字ハンドルの通学自転車がダサいという風潮が不思議と高校生の間であったりします)、サラリーマン諸君が最寄り駅まで乗ったりと、とってもフレンドリーなあの自転車です。全国津々浦々見られる光景ですね。

 

ママチャリおよび通学自転車は、国民的自転車ともいえる存在で、自転車と言われればママチャリの姿を真っ先に連想する方も多いでしょう。ぼくも、最もよく使っている自転車は、昔も今も一般型自転車(通学自転車)です。

 

香南市内でも数少ないながらも走っている姿が見られる自転車はもちろん、ママチャリと通学自転車の一般型自転車がほぼ100%に近いです。車庫の肥やしになっているのも多数存在します。自転車屋さんやホームセンターに置いてあるのも一般型自転車ばかりです。

 

市民の多くも一般型自転車、その中でも買い物タイプのママチャリの姿で自転車というものをを捉えているでしょう。


しかし残念ながら、香南市ではこのママチャリ(買い物タイプ)のイメージと性能で自転車を捉えていては、はっきり言って用事になりません!!

 

これこそが香南市内などの地方小都市で、自転車がまるで活用されていない大きな要因の一つだと考えています。

 

ママチャリでは、遅すぎて時間がかかりすぎますし、ちょっと長い距離を走るだけで疲れてしまいます。

 

クルマよりはるかに時間がかかってしまいます。渋滞もほぼなく、どこへ行っても無料駐車場が完備されている香南市で、わざわざママチャリに乗って行こうなど普通は思いません。

 

ママチャリとは本来、都市部の住宅地と商店街や鉄道駅を結ぶ短距離での使用に特化して設計された自転車です。

 

ママチャリが問題なく使えるのは、せいぜい片道2〜3km程度にすぎません。都市部ではこの程度走れば、最寄り駅や商店街に辿り着けます。この程度の距離ですと、クルマやオートバイと比べても時間差はほとんどない上に、無料駐車場がないことが多いのでクルマだとかえって不便です。低性能なママチャリであっても十分に出番があるのです。
 

だが、香南市では日常的に3〜7km程度の距離を移動する必要があります。特に旧夜須町や旧香我美町に住んでいる場合、本格的なスーパーやドラックストア、百円ショップ等がないため旧野市町や旧赤岡町へ行く機会も多くあります。概ね片道5km以上あります。クルマで約10分のところ、ママチャリで走ると30分以上かかってしまいます。

 

ママチャリのチンタラ走行で間に合うほど香南市はコンパクトではないのです。

 

さきほど、香南市の都市規模は自転車に向いていると述べましたが、最低限、通学自転車が持っている本来のスペックを引き出して運用することが前提です

 

理想を言うならば、クロスバイクレベルのスペックは欲しいところです。(ただし、クロスバイクもそのままでは地方に適した自転車とは到底言えません。後述します)

 

通学自転車やクロスバイクの性能を前提として、香南市のような地方小都市でも便利で快適に自転車に乗ることができるのです。

 

「自転車=ママチャリ」では、むしろ乗らなくて至極当たり前です。地域の交通事情とママチャリ(買い物タイプ)の性能が合致してないのですから。

 

クロスバイクがまるっきり普及していない以上、自転車が使われていないのも無理はありません。ママチャリよりも性能がいいはずの通学自転車も多くは、ポジション設定とメンテナンスの悪さゆえに買い物タイプのママチャリと同等のレベルにおちぶれていますしね。

 

次回の記事では、香南市内および周辺部と各地点での、ママチャリ、クロスバイク、クルマ、それぞれの所要時間の比較を行います。