地方の公共交通を立て直す!@高知家

地方の車社会、公共交通、自転車活用をはじめとする交通論・都市計画論、その他いろいろ

高知の公共交通を立て直すべく活動していきます!!

 

高知県内全体で「運輸連合」を結成して本当の意味で利用者本位の公共交通へ変革を成し遂げたい

 

今年2019年は、尾崎知事退任に伴い高知県知事が12年ぶりに交代します。高知市長も現職以外にも多数出馬を表明しており交代する可能性は十分考えられます。

 

この絶好(?)の機会に、高知の公共交通を立て直していくべく、団体(NPO法人を予定。名称は「土佐の国創生会議」としたいです。)を立ち上げる準備を始めて行きます!

 

(※2020年初頭、動きだそうとした矢先、新型コロナウイルスの影響で長らく保留状態でしたが、2022年3月活動再開いたします。ただし、NPO立ち上げは撤回し別の形で活動してきます)

 

具体的にどのように立て直すかと言いますと、全国初の「運輸連合(公共交通連合)」を結成して、高知県内の鉄道、路面電車、路線バス、離島航路等すべての公共交通(高速バス、タクシーは除く)を運営主体問わず、統一された情報案内、運賃体系で利用できるように変革を起こすべく活動していく予定です。

 

運輸連合とは何かは、説明すると長くなるので割愛します。以下のページ等を参照してください。

 

www.t-lrt.com

 

要するに、利用者にとっては「各路線の運営主体がどこであるか全く気にする必要がなくなる」わけです。異なる事業者やモードごとに運賃体系がバラバラで乗り換えたり途中下車すると高額になる現在と比べたら革命的なことですぜ。

 

高知の公共交通を立て直す活動をはじめる理念

 

さてさて、 高知の公共交通を再生していく理念は何なのかということを説明していきます。端的に以下の四つです。

 

・地方在住者の暮らしの改善(モビリティの確保、生活コスト低減、子育て支援、交通事故リスク低減等)

・地方公共交通の持続可能な運営

・高齢ドライバー対策

・地方の持続的な発展(産業振興、観光振興、若者の定着、移住促進等)

 

まず最初に「地方在住者の暮らしの改善」

 

言い換えると「地方でもマイカーやバイクを持たなくても快適に移動できる社会にしたい」ということです。通勤通学、通院、所要、買い物、飲み、休日の外出、催し物へのアクセスなど日常の様々な場面で公共交通が当たり前に使えるようにし、地方中核都市圏を中心にマイカーやバイクを所有しないライフスタイルを地方でも常識にしていきたいと考えています。

 

その結果、生活コストが下がり実質の可処分所得は上がります。浮いた分を他の消費や投資に回すことができるようになります。交通事故のリスクも低下し日々の生活がより安全安心になります。

 

二番目に「地方公共交通の持続可能な運営」

 

現在、高知県内の公共交通は様々な問題に直面しています。路線バスの深刻な乗務員不足、その原因の一つである待遇の劣悪さ、本数や運賃をはじめとした基本的な使い勝手の悪さ、減少を続ける利用者数、せっかく走らせてもあまり利用されない市町村営バス、老朽車両の更新もままならないとさでん交通路面電車、赤字が続き世間に限界を訴えているJR四国など。

 

diamond.jp

toyokeizai.net

 

いずれも、これまでの公共交通における民営事業、独立採算の原則が地方では行き詰っている現象だと考えられます。早急にその延長線上のシステムを見直し「公共インフラ」「社会保障制度」として、地域社会全体で支え、持続可能な運営が可能な仕組みへ変革して行くことが求められます。

 

三番目は「高齢ドライバー対策」

 

これに関しては、まったなしの状況です。大都市よりも高齢化が進んでいる高知県だからこそ急いで取り組んでいく必要があります。私も今年2月、幸い軽傷で済みましたがバイク運転中に高齢ドライバーが絡む事故を起こしてしまいました。

 

「高齢者にはなるべく公共交通に乗ってもらって高齢ドライバー自体を減らす」「現役世代も公共交通を利用してそのリスクを回避する手段を確保する」という二つの側面からも、公共交通をより使いやすいものにしていく必要があります。

 

四番目は「地方の持続的な発展」

 

ここは簡単に説明します。

 

「若者のクルマ離れ」と言われて久しく、今の若者はクルマに幻想を持ってはいません。それどころか、大都市への若者が流出する一因に「交通の利便性」があげられているほどです。クルマに依存しなければならい構造を放置し続けるのはこの点からも大問題です。若者の定着を図るためにも、公共交通の利便性向上は重要事項です。

 

 

移住促進においても、山間部等(※)はいざしらず、高知市都市圏については「公共交通が充実しているのでマイカーなしでも全然大丈夫です!」と胸を張って言えるレベルに到達するのが望ましいです。

 

(※)山間部等依然としてマイカーが必要になる地域向けに、軽自動車よりもイニシャルコスト、ランニングコストともに安価な「特定地域自動車」というカテゴリーを作るの望ましいと考えています。

 

 「1日ごとの初乗り料金+距離比例式料金」の新運賃システム案

 

運輸連合が結成される最大のメリットは、なんと言っても運賃体系が地域内で統一されることです。乗り換えても、初乗り料金が嵩むということがなくなるため、気軽に利用できるようになります。

 

そもそも、旧来より続いてきた事業者ごとの運賃体系、区間固定式の定期券、ダイヤ設定、情報案内等は前時代的なものであり、移動ニーズが多様化した現代では使い勝手が悪いものになっています。結果として公共交通離れ、クルマ依存を引き起こしています。

 

移動距離が短くても、異なる事業者に乗り換えれば一気に運賃が高くなるのは、生活交通の視点からしたら不条理なことですし、定期券も「決まった区間を多く乗る人のみ割引料金で乗れますよ」という制度で、チェーン店勤務で日によって勤務場所が変わることがある場合や、自営業者が仕事であちこち移動する場合などには対応していません。高校生が部活の試合で定期区間外を利用する場合も割引されません。

 

そこで、より現代のニーズに合った運賃システムとして、ICカードの技術を活かして「1日ごとの初乗り料金+距離比例式料金」に移行することを提案します。乗り継いでも、途中下車して用事を済ませてまた乗っても、純粋に移動距離に比例した運賃となります。ICカードが登場したからこそ出来る運賃システムです。

 

なぜ、この運賃システムを推しているかと言いますと、この方式が最もシンプルかつ公平だからです。「ゾーン制」は、利用者がゾーンを覚える必要があり、ゾーン内外で不公平が生じてしまいます。高知のICカード「ですか」で導入されている「乗り継ぎポイント割引制」も同様に、利用者がそのポイントを覚える必要があり、ポイント以外での乗り継ぎや途中下車には対応していない課題があります。

 

では、交通政策では有名なドイツ・フライブルク市都市圏で導入されている「レギオカルテ」はどうか?「環境定期券」とも呼ばれるエリア定額のパスで、かなりの広範囲を安価に利用できるという素晴らしく魅力的なものですが、残念ながら運行経費に対して運賃収入の割合が低くなるため(独立採算的に言うと大赤字!)、その部分をカバーする財源がない現在では導入困難です。

 

最終的には、「公共サービス」「社会保障制度」として独立採算によらない公共交通サービスを実現することを目標にしていますが、当初は運行経費の8~9割以上を運賃収入で確保できる体制とするのが望ましいかと思われます。どれだけの運賃収入の確保を考えているかは後ほど説明します。

 

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(2022年3月26日追記)

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2022年3月現在、運賃体系案について一部考えを見直しているため、追記いたします。詳細は、高知の公共交通再生プロジェクト【その4】新運賃体系案・前編をご覧ください。

(追記ここまで)

 

具体的な運賃案ですが、上の表のように住民(県民)の距離比例の基本運賃を「1km=10円(税込)」と設定し、家計負担軽減の観点から学生等はさらに安価に設定しています。土休日については、マイカー利用からの転換を促すため、一般の方も若干割り引いています。

 

1日ごとに初乗り料金を設定しているのは、高知市内などで近距離のみ移動の場合、あまりにも安くなり過ぎることを防ぐためです。収入確保の観点から、積極的な利用を阻害しない程度に初乗り料金の設定を考えています。

 

現在の高額な運賃水準からすれば、安すぎるように感じますが、JRの通勤定期はそれよりも安価な場合が多いです。例えば、JR四国の片道20kmの1ヶ月通勤定期は10,730円(10%増税前)ですが、25日往復使用とすると1日1kmあたり10.73円となり、3ヶ月定期になれば同じ条件で10円を切ります。JR東日本などではさらに安価なものになっています。また大手私鉄では、通常の運賃自体がそれより安価な場合もあります。(例えば、阪急電鉄の大阪梅田~京都河原町間47.7kmの運賃は400円と1km=10円を切っています。)

 

「マイカー利用から転換を促す」「通勤手当のないパート従業員でも通勤利用できる」「年金暮らしの高齢者が通院などで利用しても大きな負担にならない」「学生さんが通学のためにマイカーや原付バイクを買わずに済む」など、庶民の足として最大限活用されるには、この程度の運賃水準が妥当と考えられます。

 

大きな特徴は、県民と観光客等(※)で運賃を変えていることです。また、家族での利用促進(=休日のマイカー利用削減、土休日を若干安く設定しているのはそのためです)、子育て支援の観点から同伴の子供については無料とし、定期券という古い仕組みは廃止とします。多く利用された方には、利用額に応じたポイント還元も考えています。

 

(※)ICカードは、SUICAPASMO等と相互利用できるものに改修するのが前提です。

 

この運賃システムが導入されれば、具体的には以下のように変わります。

 

<「1km=10円」適用時の現行運賃からの変化例>

 

高知~奈半利(53.1km):1330円→531円
高知~中村(115.1km):2550円→1151円
はりまや橋後免町(11.0km):460円→110円
土佐山田~高知~はりまや橋(16.1km):560円(360円+200円)→161円
馬路村役場前~安芸市役所前(約30.5km):1250円→約305円
堺町~土佐市役所前(約15.2km):870円→約152円

※現行運賃は10%増税前、変化後は距離比例部分のみの運賃

 

現在とは比べ物にならないほど、安価になります。短区間でも気軽に公共交通に乗れるようになります。

 

高知市(山間部は除く)においては、バス路線が改善されカーシェアリングも拡充さていけば、ほとんどの地域でマイカー所有が不要になるでしょう。

 

安芸市須崎市などでも、市街地に住んでいればマイカーなしで生活可能になります。市街地内はもともと自転車があれば十分な広さですし、高知市などへ出かける時は、鉄道が気軽に利用できるようになりますからね。アフターファイブに高知市内の飲み屋街へふらっと行くことも可能になるぜよ!

 

馬路村など山間部の本数が少ない路線であっても、運賃が常識的な水準になるため安芸市へ行くときにマイカーでなくバスで行くという選択肢も生まれます。運行本数が今より改善されれば、山間部でもマイカーなし(作業用の軽トラのみ所有)という選択肢も可能になります。電動アシスト自転車も劇的に進化しており、集落内はそれで十分移動できるほどになっています。

 

運賃面だけとっても、運輸連合の実現で県民の暮らしは劇的によくなるぜよ!!

 

運賃収入の目標は年間150億円以上!

 

「魅力的だけど、こんなに安くしたら運賃収入が大幅に減ってそれこそ運営困難になるのでは?」

 

そう思わる方かもいらしゃるかと思います。確かに、公共交通の利用者数が現在と変わらなければ、その通りです。

 

しかし、前述のように運賃面では安くなる上に乗り換えても実質通しになります。ダイヤも連携をとり、情報案内などもより分かりやすくします。現在よりも利便性は大きく向上します。同時に、通勤通学やイベントをはじめとして様々な場面において、マイカー利用からの転換を促していきます。特に、一度に多くの人が集まるイベントこそ「公共交通で行くのが常識」にしていくべきです。

 

結果として、現在とは比べ物にならないほど、利用者数が激増することは容易に想像できます。マイカー利用や自転車利用からの転換だけでなく、高齢者が積極的に外出するようになる、飲みに行く人が増える、観光客がさらに増えるなどの新規需要も誘発されます。どれだけ増えるかは、今後調査していく必要があります。

 

現在、県内の公共交通全体を全部合わせても年間50~60億円程度(とさでん交通路面電車は年間10億円強、土佐くろしお鉄道は全線で年間7億円弱ほどの収入しかありません)しか稼げていないと推計できますが、新運賃システムが導入されれば、当初より年間100億円を超えるのではないかと考えています。

 

距離比例式運賃の「1km=10円」で考えれば、70万人の県民1人あたり、1日たったの4km公共交通に乗れば、年間収入100億円は達成できます。1ヶ月では1人あたり120kmです。毎日、片道20kmを通勤する人は、休日も含めて月間25日利用すれば月間1000kmとなり、1人で8人分以上の距離を達成しています。普段公共交通に乗らない人でも、月に1回、高知~中村を往復するだけで120kmを軽く超えてしまいます。

 

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上の表のように、初乗り料金分や観光客等も含めれば、年間170億円以上になっても不思議ではありません。利用者が増えれば、駅や車内の広告需要も増え料金もより高く設定できるため、広告収入の増加も期待できます。

 

目標値は、ひとまず「年間150億円以上」と設定します。

 

目標達成のためには、継続的に利用距離が稼げる通勤通学での利用促進が何よりも重要になり、次に一度に多くの人が集まるイベント時におけるマイカー利用からの移行促進も必須になります。

 

導入当初は黒字運営が期待できる!

 

年間150億円まで収入が伸びなくても、年間100億円の収入があれば当初は結果的に黒字となるとが期待できます。人手不足のため、利用者が増えたからと言って直ちに増発やバス路線の拡充は困難なため、人件費が大幅に増えるわけではないからです。ICカードシステムの改修・新規導入費用は初年度の黒字分で回収できると考えています。

 

当面は、行政にとっても大きな財政負担が必要ない(事前調査費くらい?)と考えられる点も魅力的です。現在支給されている事業者への補助金も赤字の穴埋めから前向きな設備投資に活用できるようになります。

 

しかしそれに胡坐をかくことなく、「公共サービス」「社会保障制度」の理念に則って、増発やバス路線の拡充などソフト面の充実、老朽車両の更新、鉄道の電化や複線化、空港アクセス鉄道新設、桟橋線の南北延伸などのインフラ投資も必要になってきます。そこで、財源の裏づけが必要になってきます。

 

さらに詳しくは次の記事にて

 

次の記事では、団体についてどのような形にするか、どのような段階を経ていくかについて述べていきます。

 

『地方も自転車の時代へ(仮)』、内容を大幅に見直して再チャレンジしていきます!

 

約2年前、「はじめに」「目次」「企画書」を当ブログにて公開し出版を模索した、『地方も自転車の時代へ(仮)』。

 

今一度、内容を大幅に見直して再び出版へ向けて動き出していきます!

nomotoyasushi.hatenablog.jp

 

出版後の予定を考えていた程、当時は自信があった。

 

今から5年前の2014年9月、一通り書き上げ疋田智氏に出版社さまを紹介していただきました。自転車界では著名な疋田氏の紹介であるがゆえに、「このテーマは自分が一番乗りだし、実績のある著者の紹介であるので確実に出版できる!」と信じて疑っておらず、この頃は出版を予定しているほどでした。(出版後、長期で旅行に出る構想を立ててた…)

 

それがまさかの立ち消えとなってしまい、その後も自分で探そうとするものの上手くいかず、それでも取っ掛かりでも掴めればとの想いでの、ブログでの目次等公開でした。

 

 

それも完全に空振りで終わってしまいました。 リツイートもたったの30リツイート…。出版社さまからの問い合わせはおろか、コメント欄やメールでもご意見・ご感想・励まし・ご批判の類もまるで来ない結果に…。それでも、新潟のブロガーさんに引用していただけたのは嬉しかったです。

 

「何らかの情報でも掴めれば」と思っていましたが、散々な結果に終わり、半ば道を閉ざされてしまいました。

 

こうなれば、自力で出版社に問い合わせるしかありませんが、完全に自信をなくして怖くなり、出版に関しては思い悩むだけで全く行動できず時間だけが経過してしまいました。学生時代より「著者になりたい!」「自分の名前で活躍したい!」という想いが強かったので、このような結果となったショックは甚大でしたね。

 

今になりようやく、「何とかしなければ…」と思い悩んだり焦る気持ちはなくなり、落ち着いてきたので、冷静に考えて再び出版へ動き出したいと思います。

 

当時とは色々と自分の考えも変わっており、またより面白い内容にする必要があると考え、基本コンセプトは踏襲するものの細部の内容は大幅に見直して行きます。

 

見直していく点を述べていきます。

 

純粋に「自転車乗るのはいいよー」という視点を重視し、お金の話を減らし運動機会向上や健康面の内容を増やす。

 

「第1章 地方だからこそ自転車に乗ろう!」では、地方で自転車に乗るメリットを中心に述べています。

 

 しかし今読むと、ガソリン代がどうだ、部品の交換周期がどうだなの、お金や節約について書きすぎているきらいがあるので、この部分は大幅に簡略化する予定です。逆に、運動機会向上や健康面の内容をより充実させていきます。

 

かつては、貧乏性ゆえか「ガソリン代節約やオイル交換の周期を伸ばすため自転車に乗る」という考えも大きかったですが、今ではほとんど意識しておりません。

 

あくまでも、「自転車に乗るのが気持ちいい」「ちょうどいい運動になる」「体型維持」という考えで乗っております。お金の話は、フツーに楽しく自転車に乗っていれば「オマケとしてついてくる」という認識で捉えています。

 

なお、CO2削減など環境問題については、一切触れません。そんなこと書いても面白くないので。

 

香南市高知市の事例は大幅縮小または削除。替わりに松山市今治市尾道市などの事例を追加。

 

香南市高知市の事例は、冷静に考えて「あまり面白くない」と考えるようになりました。

 

結局のところ、香南市の事例は「クルマ一辺倒で自転車がまるで活用されていない!自転車ももっと使われるべきだ!」、高知市の事例は「行政の取り組みがまるで遅れている!」という個人的な嘆きを端に発しているいるので、内容にやや無理があったことは否めません。

 

これらも内容を簡潔化、場合によっては完全に削除するのが妥当かもしれません。

 

その代わりに、地方の自転車活用を考える上では避けては通れない、高知県のお隣愛媛県松山市今治市、そして広島県尾道市ほかしまなみ海道の事例を加えることとしました。加えるというより、そちらをメインにしていきます。

 

場合によっては、香川県高松市茨城県つくば市富山市なども取り上げたいと思います。

 

地方に適した自転車についても一部の内容見直しの上簡潔化。電動アシスト自転車の普及促進を追加。

 

「第5章 地方で自転車に乗る」では、どんな自転車が地方に向いているかについて述べています。

 

その章では、「ママチャリは実用面はいいが近距離しか対応できない」「クロスバイクは距離は走れるが荷物が積めないため実用性に欠ける」「最も地方に適した特性を持っているのはランドナーなどのツーリング自転車である」などということを述べています。

 

その考えは基本的に現在も変わっておりませんが、現在では普段使いの自転車については「ベルトドライブ・内装変速機」が最も適しており、メンテナンスが煩雑で部品寿命も短い外装変速機は全く推奨できないシロモノであると考えています。(稼働日数の少ないサブ車には全然問題ないと思います)

 

ツーリング自転車の特性を基本に、アルベルトなど高級通学自転車の要素を取り入れメンテナンスフリーと耐久性の向上を図った自転車が最も地方向きであり、メーカーさんにもそういう自転車を発売していただきたいと提案する内容を盛り込みます。

 

nomotoyasushi.hatenablog.jp

 

都市部ではすっかり定着した電動アシスト自転車。もはや、これを外すことはできないでしょう。

 

筆者も以前は懐疑的でしたが、地方で自転車活用、そしてクルマ依存体質からの脱却には、電動アシスト自転車の活用推進は避けて通れないと考えるまでに至っています。いや、電動アシスト自転車こそが地方における自転車普及の起爆剤になると言っても過言ではありません。

 

nomotoyasushi.hatenablog.jp

 

地方のクルマ依存についての内容は大幅増強。

 

「第8章 地方のクルマ依存社会を見直すために」。この章はさらに内容を増強したいと考えています。疋田氏にも「一番面白い!」と言っていただけました部分です。

 

昨今、高齢ドライバーによる交通事故の問題がメディアを賑やかしています。筆者も不幸にも高齢ドライバーが絡む事故に巻き込まれてしまいました。この問題はまったなしの状況です。

 

そして、老朽車両の更新もままならない地方鉄道、バス運転士の人手不足、JR北海道JR四国が置かれている状況、そしてマイカーの維持費による家計の圧迫…。

 

地方のクルマ依存社会はすでに限界直前まで来ています。それらを訴えかけるため、この章はさらに力を入れて書き加える予定です。

 

nomotoyasushi.hatenablog.jp

 

これまでの反省いろいろ。

 

最後に、これまでの自分の姿勢について反省すべき点も多々あります。

 

出版したかった動機ですが、もちろん「純粋に自転車の良さを伝えたい」「世の中をよくしていきたい」という想いは、当初からありますし今も変わりません。

 

しかし、それと同等かそれ以上に「出版して自分の著書を持ちたい」「疋田氏や絹代氏のように自転車分野の人として多方面に活躍したい」「自転車に絡む観光活性化などで行政プロジェクトに自分も入り込みたい」などの想いが強くありました。出版が実現したら、四万十方面やしまなみ海道などでポジションを得ようと画策していました。

 

収入の面も、出版による印税収入そのものについては最初から小遣い程度としか期待していませんでしたが、出版後の活動については、これまた疋田氏などのように雑誌原稿料やシンポジウムなどで収入を得る機会を得ることを目指していました。(本業の傍ら全国各地を飛び回る2000年代の疋田氏、学生だった自分にも本当に輝いて見えましたよ)

 

その想いがあったからこそ、一回失敗しても再び情報収集や取材を重ねて書き直し、紹介を得られるまで執筆を続ける原動力になったのは確かですが、根本的に強すぎたのはアカンかったと思います。

 

それゆえ、失敗したときのダメージが大きすぎて後々引きずってしまいました。2012~2013年に勉強していた社労士試験も「一回目で合格するのは難しい。先に出版を急ごう。書けば出るのだから」と勉強を放り出してしまう判断ミスもしてしまいました。(当時の勉強時間がまとまって確保できない事情もありましたが、それだけ早く出版したい想いや焦りが強かったわけです)

 

今になってようやく、ぶっちゃけどうでもよくなりました。それだけ心に余裕もできてきたということでしょう。純粋に「自転車いいよー」と伝えたい気持ちは残っています。それを考えると、自分の期待通りに出版されてよかったかは正直分かりません。

 

「自転車利用を人々に押し付けたい」という想いもアカンかったと思います。

 

2014年、疋田氏に紹介していただいた原稿は、「クルマに乗るのはケシカラン!」という書き方はしておらず、あくまでも「マイカーと自転車」の使い分けを基本としており、実際に「地方ではクルマは必需品」であることを一項目で述べています。2009年に書いた最初の原稿から比べたらずいぶん進歩(?)しています。

 

しかしそれでも、ガソリン代や部品交換代の節約や実用的で長距離にも対応できる自転車の開発などについて必死に書いているあたり、「人々を自転車に乗せたい!」という想いは、明確に書かずとも強くありました。そういう自分の性格もありますが、「若かったな…」と今になって思います。

 

今ではそれもどうでもよくなり、「自転車いいよー、快適だよー、いい運動になるよー」ということを伝えれば十分だと思っています。それゆえ、現在では地方の脱クルマは自転車活用よりも公共交通の立て直しがずっと重要だと考えており、これから運輸連合で結成すべく活動していく予定です。

 

では、良い著書が送りだせるよう、再び取り組んで参ります!!

 

桂浜へ電車(LRT)を走らせよう!【その7・〔続〕車両編】

 

【その6・車両編】から続きます。

 

桂浜へ電車(LRT)を走らせよう!【その6・車両編】

 

 桂浜へ電車が走ってこそ、維新号・外国電車は活きてくる!!

 

とさでん交通では現在、戦前に走っていた二軸単車を復元した「維新号」と、海外から買い集めた「外国電車」3両の計4両を、イベント・貸切車両として所有しています。

 

f:id:nomotoyasushi:20180115162719j:plain(維新号7号 はりまや橋 2004年5月2日)

 

f:id:nomotoyasushi:20180705200019j:plainポルトガルリスボン市電910号 はりまや橋 2003年12月29日)

 

f:id:nomotoyasushi:20180705200144j:plainオーストリアグラーツ市電320号 桟橋通五丁目 2004年5月2日)

 

ノルウェーオスロ市電198号)

 

導入当初は大きな話題を呼び、小学生時代の筆者も祖母に連れられて、外国電車に乗った覚えがあります。中学。高校時代も時々電車を利用しましたが、外国電車にたまたま乗れた時は、大変嬉しかったです。

 

しかし、人件費等の問題で徐々に運行頻度は下がり、ICカード「ですか」導入後には、遂に定期運用から退きイベント時や貸切で細々と運行されるのみになっています。(車両の検査が重なるなど車両が不足し、朝ラッシュ時に運行されて話題になったことはありましたけど)

 

せっかくの面白い電車がほとんど活用されず寂しいですが、現時点ではそれも仕方ないのかなと思います。

 

しかし、桂浜へ電車が伸びれば、それらの電車も十分に活きくるでしょう。

 

輸送力や性能の問題があるので、定期運行で走らせるわけにはいきませんが、伊予鉄道の「坊ちゃん列車」のような感じで、土休日を中心に観光客向けの臨時運行(もちろん追加料金を設定して!)や、その他団体・貸切運行で活用が大いに期待できます!

 

それらの電車に、街中の電停から乗って、トンネルを抜けると浦戸湾が車窓に広がり、郊外のニュータウンでは近代的な高架橋を駆け抜け、終盤は太平洋沿いを走って桂浜まで行くと思えば、純粋に面白いです。

 

また、臨時運行なので一部の電停・駅に止まる快速運行で問題はなく、性能が低くても定期ダイヤの邪魔をすることなく走らせることができます。

 

維新号や外国電車同様に、床が板張りで非冷房のままのレトロな200形原型車も、臨時・団体運行の候補車両にしたいものです。ただ200形は、後免線・伊野線では引き続き定期運行されるでしょうから、維新号や外国電車よりは、ちょっぴり人気が落ちるかもですが。

 

f:id:nomotoyasushi:20180123081110j:plain(金太郎塗装の200形207号 デンテツターミナルビル前 2017年1月2日)

 

大海原を眺めながら宴会できる「おきゃく電車」は、大ヒット間違いなし!?

 

電車に乗って宴会ができる「おきゃく電車」。「おきゃく電車」も桂浜線が実現すればより面白くなるでしょう。

 

f:id:nomotoyasushi:20160602130955j:plain(おきゃく電車802号 貸切時のみテーブルやビールサーバーを設置して運行 2016年5月)

 

f:id:nomotoyasushi:20180705205131p:plain(出典:とさでん交通

 

kochi-arindo.com

 

街中も浦戸湾も太平洋も眺められる桂浜線のロケーションで、「おきゃく電車」を走らせたらこれはもう面白すぎます! 夕暮れ時や月夜に照らされる太平洋を眺めながら、電車にゴトゴト揺られてビールが飲めるなんて最高すぎるぜよ!!

 

 

予約が取りにくい大ヒット商品間違いなしでしょう!

 

大盛況であれば、現行の定期運用と兼用のおきゃく電車に加えて、同じく前後扉かつ冷房付きの700形・800形のうちから2両を捻出し、2両固定編成に改造した宴会専用電車を作ってはと思います。

 

1両は現行のおきゃく電車と同じ向かい合って宴会するタイプで、もう1両は太平洋側に向けたカウンター席と、反対側は2〜4名のテーブル席としたタイプのような感じがいいでしょう。2両固定なので、車端部にトイレの設置も可能になります。(車庫に汚物処理の設備が必要になりますが…)

 

ただ、直接制御のためそのままでは2両編成で運行できませんが、【その6・車両編】で述べた、600形近代化で捻出された走行機器を移植すれば可能になります。基本はそのまま移植で問題ないですが、ブレーキだけは新たに電気指令式とした方がいいでしょう。

 

ロッコ電車も走らせよう!!路面電車では全国初に!

 

これは知り合いが出した案です。「トロッコも走らせたら面白そうじゃない?」と。

 

浦戸湾、太平洋の海風を受けながら行くトコッロ電車走らせたら最高ですね。そう言えば、全国でトロッコ列車は数多くあれど、路面電車のトロッコは未だに皆無です。「路面区間を走るトロッコとしても全国初になる」ということで、これは是非とも走らましょう!!

 

改造対象車両は、200形が最適です。前後扉方式の構造であり、初期車は板バネ台車でゴツゴツした乗り味はまさにトロッコ向けです!!多くは非冷房ですが、トロッコなので非冷房車の改造で全然問題ありません(笑) 夏場は煙たがられ、「冷房なくてごめんなさい」プレートまで掲げられる、哀れな非冷房200形ですが、トロッコ電車に変身すればその欠点は完全に吹き飛びますぜ!

 

f:id:nomotoyasushi:20180116104338j:plain(200形208号 前後扉方式の車体構造もイベント用車両に向いている)

 

改造内容は、以下のようになるかと思います。

 

・側面窓ガラスを撤去し、窓桟を減らして側面窓は座席に合わせる形で3〜4枚にする。雨天時対策でビニールのロールカーテンを設置する。

・車内は、ロングシートを撤去し木製のクロスシートとテーブルを設置。停車時はやはり暑いので、暑さ対策で首振り式の扇風機を天井に設置。

 

f:id:nomotoyasushi:20180711225556j:plain(トロッコ電車車内のイメージ 写真はJR四国キクハ32-501 https://twitter.com/tetsudozukidesu/status/1015822668799463430より引用)

 

ただし、1両では座席数が少なすぎるので、「おきゃく電車」同様に、改造で捻出された600形間接制御車の機器を台車以外流用して2両固定とした方がよいでしょう。その場合、片方の車両は、太平洋側は外に向いたカウンター席としたいものですね。

 

さらにこのトロッコ電車も、「おきゃく電車」として活用できます。繁華街のど真ん中を走りながら、海風に吹かれながらビールが飲める宴会電車、これも大ヒットするでしょう!

 

鉄道ファンもどんどん呼び込もう!高知へはるばる来る鉄道ファンも立派な観光客

 

太平洋や浦戸湾に沿って、個性的なイベント車両が多く走り、定期運行でも多彩な車両が走り、時には面白い組み合わせの連結で走るとなれば、全国から多くの鉄道ファンがやってくるかと思います。実は、「鉄道ファンにもどんどん高知へ来てもらう」ことも視野に入れて構想を書いています。

 

鉄道ファン、特に撮り鉄のマナーが物議を醸すこもとあります。

 

 

確かに、傍若無人撮り鉄は目に余ります。その一部の方々のおかげで、全体のイメージも悪くなっています。撮り鉄は、乗り鉄などと異なり、ローカル線の場合は主にマイカーでやって来るので、「鉄道会社にお金が落ちない」という批判も見受けられます。

 

しかし、首都圏や関西圏等から高知へやって来る鉄道ファンは、やはり立派な観光客であります。多くは、宿泊施設を利用しますし、地元の飲食店も利用します。一定の節度を保つのであれば、どんどん歓迎すべき観光客だと思います。

 

「勝手に私有地に入らない」「花などを踏み荒さない」「他の交通の邪魔にならないように配慮する」という、極めて当たり前のことはもちろん、桂浜線他は閑散線区ではなく駅間も短いので「撮影現場までは、なるべく電車やバスを利用する」というのも、撮影する上でのマナーとして明示すべきでしょう。

 

【その8・運行ダイヤ、運賃、運賃収受編】 へ続く

 

桂浜へ電車(LRT)を走らせよう!【その8・運行ダイヤ、運賃、運賃収受編】

 

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