地方小都市(田舎町)の自転車事情。高校卒業とともに自転車も卒業してしまうのが現実です。
こんにちは。今回からマジな自転車記事を書いていきますよ。これから、すでに書いている自転車本の原稿を小分けにブログ向けにアレンジした上でアップしていきます。
ぼくが現在住んでいる高知県香南市を具体例に、地方の小都市(田舎町)の自転車事情を紹介していきます。
日本のフツーの田舎町、高知県香南市とは?
まず最初に、高知県香南市の概要を簡単に説明しましょう。
まず、ぼくの実家があるところです。幼少期から大学入学まで、そして高知に帰ってきてからも生活しています。
県庁所在地の高知市からは、南国市を挟んで15〜20kmほど東に位置し、人口は2014年1月1日現在で33,461人となっています。人口規模からも典型的な地方の小都市と言えるでしょう。
香南市が誕生したのは、2006年4月。平成の市町村大合併で、野市町、赤岡町、吉川村、香我美町、夜須町の5つの町村が対等合併して出来ました。旧町村の人口は、最多の野市町ですら18,000人ほどで、他の4つはどれも数千人という小規模さでした。
そのうち、ぼくが住んでいるのは東の端の旧夜須町。合併直前は4,500人にも満たない小さな町でした。
そのため、都市というよりは「田舎町の集合体」と言った方が香南市の実態をよくあらわしているかと思います。
市の南部は、土佐湾に面しており大部分が平坦で田園風景が広がっており、人口のほとんどが集中しています。高知市とも平野続きで、もちろん高知市への通勤圏でもあり、香南市の中心部である旧野市町はベッドタウンとしても発達しています。
(シャトー三宝横の展望台より見下ろした香南市街 2010年10月23日撮影)
一方北部は、山がちで過疎化が進み、現在はほとんど人は住んでいません。
県庁所在地など地方中核都市から少し離れた田園地帯のこじんまりとした地域の拠点。田舎の中心地。香南市は、こんな日本のどこにでもある田舎町のごくありふれた一地域です。
高知県の中でも、お隣の南国市や香美市(旧土佐山田町地域)をはじめ、安芸市、須崎市、土佐市、四万十市など香南市に似た環境の地方小都市はいくつもあります。
典型的な日本のフツーの田舎町「香南市」の自転車事情はどうなのでしょうか?
高校卒業=自転車卒業
実態はズバリこれです(笑)速攻で結論を言いますね。
高校を卒業してしまうと、どこへ行くにもマイカーや自動二輪車・原付に乗るという典型的な地方小都市のクルマ社会そのものです。
自転車に乗っている人は、高校生までをのぞいて非常に少ないです。香南市の中心地でスーパーなどの施設が集まる「のいち駅」周辺ですら、昼間にしばらく観察していても自転車に乗っている大人の方々を、ほとんど見かけません。スーパーに出入りするのもクルマばかりです。
高校を卒業するやいなや、就職や進学で県外へ出て行く人以外は、すぐに教習所に通い運転免許を取得します。そして、大人になったお祝い(?)として親がクルマを買い与えたり、お下がりを譲ったりとしてマイカーデビューします。そうでなくても原付バイクに乗り始めます。
こうして一旦クルマに乗り出すと、自転車には全然乗らなくなってしまいます。
数年前のことですが、実際に高校を卒業したばかりの知り合いに聞いてみました。
「ぼくもクルマに乗り出してから自転車には1回も乗ってないですねー。同級生も、自転車で5分ほどのところにも当たり前にクルマで行っていますねー」
予想通りの答えでした(笑)
地方の田舎町には「マイカーデビュー=大人への仲間入り」という空気は厳然と存在しています。
一旦クルマに乗り出したら「クルマ”だけ”に乗るもの」という意識すらも感じます。
そのためか、20代、30代前半の若者が自転車に乗っている姿はほとんど見かけません。(週末のロードバイク乗りは別)ぼくのまわりでも10年間全く乗っていないという方も当たり前にいます。
ぼくの経験でも、旧夜須町から7kmほど先の旧野市町まで自転車で行くと、
「早く免許とったらどーやー。高知ではクルマないとやっていけんぞー」
と知り合いに言われるくらいです(笑)
運転免許も持ってますし(それも、普通免許(現在は中型8t限定)だけでなく大型自動二輪免許まで持ってます)、125ccのスクーター(シグナスX)にも乗ってますって(笑)
自転車に乗ってたら免許すらないと思われるようです(笑)
香南市役所職員もほとんどがはマイカー通勤
2年前に市の企画課に協力していただき(未だ出版ができず申し訳なく思ってます…)、市職員全員を対象にアンケート調査を実施してもらいました。
回答があったうち、マイカー通勤者の割合は約88.2%で、自動二輪車・原付も含めると約92%でした。職員のほぼ全員がマイカー通勤していると見なしてよいでしょう。
自転車と徒歩の割合は、わずか10%未満に過ぎません。
クルマに依存しまくっている香南市の実態が、ダイレクトに結果とてあらわれています。
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