「まちの自転車屋さん」が生き残っていることは大変貴重なことです。
自転車のお医者さんである「まちの自転車屋さん」が地方小都市では消えつつあります。で述べました、なかなか厳しい高知県香南市の自転車屋さん事情。
そんな中でも、頑張って現役を続けている5店舗を写真とともに紹介します。
旧野市町は2店舗現存
まず、のいち駅すぐ近くの旧街道沿いにある「香南サイクル」さん。バイクのオイル交換や修理等で、ぼくもたびたびお世話になっているお店です。
パッと見ても目立つすぎるくらいの「HONDA」ロゴ。いやはや懐かしい外観です。記載されている住所も香南市ではなく「香美群」のままですし。その店構えからも分かるように、自転車屋さんと言うよりは、圧倒的にバイク屋さんの印象を強く受けます。
とは言っても、ホームセンターやスーパーを除くと旧野市町では、唯一と言ってもいいメーカー製の新車を販売している自転車屋さんです。ブリヂストンの看板も掲げていますしね。
自転車の方もそこそこ力を入れているようで、道路を挟んで反対側にも店舗があって、そちらには自転車が結構な台数展示されています。この前、道路からパッと見たところ、ブリヂストンの各種モデルだけでなく、RITEWAYのクロスバイクも展示されていました。香南市では、きちんとしたクロスバイクを扱っている唯一の自転車屋さんです。
次に、同じくのいち駅からごく近い旧街道沿いの「のむらモータース」さん。
店名からしても外観からしても、ほぼバイク屋さんですね。バイクも自転車もですが、新車の展示は特にないようです。整備屋さんという趣が強く、中古車の販売を得意としているようです。なかなか、良心的な値段の出物があったりします。
旧赤岡町は3店舗現存
香南市のB級グルメ?”ちゅうにち”で有名な「とさを商店」さんのお隣の「神明自転車店」さん。香南市赤岡支所のすぐ近くです。
自転車店という名前を掲げていますが、写真の通りバイクも取り扱っています。名前は自転車店ですが、看板の方はバイクメーカーの方が上に来ています。パッと見では、自転車半分、バイク半分というような印象です。
それにしても、「フジサイクル」、「ツノダの自転車」、「ツバメ自転車」という表舞台から消えてしまったブランド(いずれも形を変えて存続していますが)の看板がそのままになっているあたり、昭和の香りがプンプンしますね。
このお店も、中古車を得意としているようです。あまり知られていないですが、レンタサイクルもやっています。
国道沿いの「別府商会」さん。
店舗も新し目で整然としています。やはり「HONDA」のロゴが前面にデカデカと掲げられており、バイク屋さんという趣が強いですが、ブリヂストンの正規販売店でもあります。
最後に、赤岡町の旧街道沿いにある「川村自転車店」さん。土佐の伝統的な建造物が多く残存する街並みの一角にあります。
何もかもが懐かしい外観のお店です。「HONDA 二輪ショップ」の看板が骨董品レベルで泣けてきます。展示車はなく修理中のバイクや自転車も少なく、いかにも「細々と今も続けている」という感じです。
いずれにしても自転車屋さんが存続している事実は大変貴重なことです
香南市に現存する自転車屋さんは、いずれのお店もどちらかと言うとバイク屋さんで、自転車の方はサブ的な印象を受けます。
バイクがメインだったゆえに、欧米ブランドのスポーツ自転車を取り揃えるなど時代に合った自転車を積極的に売ろうという姿勢に欠けてきたとも言えますし、バイクと併売だったゆえに自転車屋さんとしても今も生き残っているとも言えます。
やはり、香南市のような地方小都市では、自転車専業では成り立つのは困難なようです。もし、専業で成り立たせようと思えば、情報を積極的に発信し、ライフスタイルとして提案するくらいでないと厳しいでしょうかね?
いずれにせよ、田舎町で自転車のお医者さんである自転車屋さんがまだまだ元気に存続しているという事実は貴重なことですよ。こういう地域に密着したお店は、大切にしていかなければと思いますね。
今後、各自転車店にも詳しく取材していく予定です。