地方の公共交通を立て直す!@高知家

地方の車社会、公共交通、自転車活用をはじめとする交通論・都市計画論、その他いろいろ

祝16周年!最古参自転車「ラ・クッション」で室戸岬まで走ってきました。しかし、思わぬハプニングが・・・

 

もう半年以上前のことになりますが、シルバーウイークの真っ最中の2015年9月22日(火)、ぼくが所有する自転車の中では最古参となった「ラ・クッション」で、香南市夜須町から室戸岬までの片道約60kmを往復してきました。

 

「ラ・クッション」がどういう自転車かは、こちらの記事をご参照くださいね。20世紀末の1999年7月に購入し、まもなく17年目を迎える歴史のある(?)自転車です。

 

nomotoyasushi.hatenablog.jp

 

高校時代は休日に夜須から高知市安芸市へと、予備校時代は毎日のように後免駅まで往復をこなし大活躍するも、現在は予備車という立ち位置で、すっかりご隠居さん状態。もはや、高知市安芸市まで走ることもなく、運用範囲も香南市内とお隣の芸西村に限定しています。ただし、唯一の内装変速機を装備した自転車と言うことで、完全に活躍の場を失わず、梅雨の時期には例外的に頻繁に使われています。


この自転車にもう一度過去の栄光を!2003年夏、この自転車で室戸市吉良川町まで走ったことがあるので、もう一度室戸へ行こう!室戸へ行くからには、室戸岬まで行こう!


ということで、ブログネタを兼ねて室戸行きを敢行しました。

 

遠くへ走るなら、別府峡(香美市)でも大豊町須崎市でも何でもいいのですが、如何せん平坦地でしか使い物にならない自転車なので、必然的に室戸しか選択肢はありません。

 

走るにあたって注意したことは、もともと加速も悪く坂道にも弱い鈍重な自転車なので、とにかく無理をせずに走ること。長丁場なので、無理をすると帰りがものすごくしんどくなってしまいます。加速時は、力まずにゆっくりゆっくりと速度を上げていき、安芸市の八流や奈半利町にある坂道も全く疲れないくらいに歩く速度ほどで上るようにしました。

 

ヤ・シィパーク(香南市夜須町)8時12分発

 

8時12分、出発地であるヤシィパークを出発しました。ここから安芸市までは、サイクリングロードを進んでいきます。この自転車にとっても通いなれた道です。高校時代は、安芸市のゲーム屋(現在は閉店)に、よく行ったなぁ・・・。

 

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途中、芸西村の国道55号とごめん・なはり線の高架橋の交差部で・・・

 

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ネズミ捕り(速度違反取締り)をやってました。県外からの観光客も多いシルバーウイーク、書き入れ時なのでしょう(笑)

 

サークルK・安芸矢の丸店 9時9分着 9時16分発

 

ヤ・シィパークを出発してから1時間弱で、安芸市内にあるサークルKに到着しました。ここで朝食を摂るためと、補給用の飲み物を買うために少し休憩。7分後の9時16分には出発しました。この先に「ラ・クッション」が本格的に踏み入れるのは、10年以上ぶりです。

 

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伊尾木川を渡ります。いい天気でした。

 

大山岬 9時38分通過

 

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サークルKから20分ちょっとで大山岬に到着。岬の前後は8%程度の勾配になっており、「ラ・クッション」で上るには結構キツイです。ゆっくり上るものの、やっぱり坂道は苦手。ここからしばらく走ると、安芸市から安田町に入ります。

 

安芸市伊尾木地区でもそうでしたが、安田町でも旧道がある部分は基本的に旧道を経由しています。クルマがあまり走らない旧道は、クルマに追われることなくのんびり走れます。その後も、基本的に旧道を走りました。

 

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安田川にて。この日はほんといい天気でした。

 

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田野町の旧道です。国道55号の南側を通っており、歴史的な建造物が結構残っています。のんびり進みます。

 

奈半利駅前交差点 10時7分通過

 

奈半利川手前で国道55号に出て、奈半利川を渡ると奈半利町に入ります。奈半利駅前の交差点は10時7分に通過。大山岬から約30分というところです。

 

特に休憩することもなく、時間を記録してそのまま通り過ぎました。

 

加領郷漁港 10時24分着 10時33分発

 

奈半利駅前交差点から約17分で、奈半利町では最も東に位置する加領郷(かりょうごう)漁港に到着しました。

 

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高架は国道55号で、港の真上を通っています。漁港の前の酒屋さん(個人商店)で飲み物とパンを購入し、しばしの休憩。

 

そして室戸市

 

加領郷漁港を出発してすぐ、とうとう室戸市へ突入します。

 

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「ラ・クッション」にとっては、2003年8月以来、12年ぶりの室戸市です。室戸市へ入ったのことがあるは、それだけなので回数で言うと2回目です。16年目にしての再び快挙(?)を成し遂げました。まだまだ走りそのものは快調で、引退するにはモッタイナイくらいです。でも、サスペンション部分に不具合が出ていますので、もう第一線では安心して使えないのですよね。

 

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羽根の山々。山の緑も空も美しい。

 

吉良川町 11時7分頃通過(少し滞在)

 

室戸市に入ってから30分ほど走って、吉良川町の中心部へ到着。先述の通り「ラ・クッション」でここまで来たことがあります。

 

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吉良川町の街並みと「ラ・クッション」。

 

吉良川町は、高知県では最初に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。久しぶりにゆっくり見て廻りたいのですが、そこまで時間的な余裕もなく、写真を数枚撮っただけで、すぐに出発しました。ここから先は「ラ・クッション」にとって初めて走る道です。

 

カレー専門店シットロトで昼食をとりました 11時22分着 12時1分発

 

奈半利町まではほとんど風は吹いていなかたのですが、室戸市に走ってから風が強くなり、ややペースが低下。やはり室戸は地形的に風が吹きやすい地域のようです。

 

それはさておき、吉良川町から約15分で、紅茶とカレーで有名なシットロトに到着し昼食をとりました。これまでも何度も足を運んだことのある、大好きなお店です。店内に置いてある書籍が渋かったりもします(^^)

 

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選んだのは、紅茶煮、豚バラとフレッシュトマトのカリー。やっぱり、何度きても美味しい。飽きない味。

 

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シットロトの駐車場より、すぐ前の堤防より、土佐湾、奈半利方面を望みます。いやー、室戸らしい風景です。お店には40分ほど滞在して、正午には出発しました。

 

室津港 12時21分通過

 

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行当地区の旧道を進みます。室戸特有の石垣でつくられた塀のある風景です。

 

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室戸岬が近づいてきました。折り返し地点はまもなく。

 

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閑静な旧道を進みます。室戸の中心街はすぐそこ。

 

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12時21分、室津港に到着しました。かつては捕鯨、そして遠洋漁業で栄えた室戸の中心地です。

 

港(旧港)は香南市夜須町の手結港と同じく、江戸時代初期に野中兼山によって造成された堀込港で、貴重な近世の土木遺産です。残っている重厚な建物からも、吉良川町と同じくかつては繁栄した町だったのでしょう。

 

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スナックが並ぶ路地。マグロ遠洋漁業の最盛期は、今からは想像できないくらい賑わっていたのでしょうね。

 

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しばらく旧道沿いに南下すると再び堀込港が出現します。津呂(つろ)港という名前の港で、こちらも江戸時代初期の土木遺産です。外側に港が出来た今もこうやって現役で使われています。

 

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医院跡の建物が渋い。室戸岬はもう目と鼻の先。あと5分も走れば到着というところまで来ました。

 

予定では、室戸岬を少し観光した後、帰路はそのまま引き返さずに岬の東岸を進み、岬をショートカットする三津坂トンネルを経由して室戸の中心街まで戻るつもりでした。

 

しかし、この後は予定はかなり狂います。

 

室戸岬直前、とんだハプニングに見舞われました・・・

 

長距離を走るので、トラブル防止のため、出発前にはタイヤの空気圧やブレーキなど、きちんとチェックしていました。なので、まさかこんなトラブルが発生するとは予期していませんでした。

 

これまで述べたとおり、ここまで至って順調に進んできました。しかし、室戸岬を目前にした室戸スカイライン入口付近でまさかの事態が起きました。

 

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なんか、走りがおかしくなりました。ガクガクとした感触が…。前輪を見ると、前輪のタイヤが外れているではないですか!?

 

気づいた時は、まだチューブはバーストしてなかったですが、10秒ほどしたら見事にバーストしました。

 

とにかく走行不能になりました。非常に困ったことに。交換用のタイヤ・チューブなど持参してないですし・・・。

 

室戸岬は数百メートルと目前に。まさか、こんなところでトラブルとは・・・。

 

確か、室戸岬には観光案内所があったはず。そこで直してもらえる自転車屋さんがないか聞いてみることに。祝日なので自転車屋さんは開いてないかもしれません。もし、どこも開いてなければバスで帰って、後日新品のタイヤとチューブと携帯ポンプを持参し、自分でその場で直そうとも考えていました。

 

幸いにもすぐに直していただける自転車屋さんが見つかりました

 

スカイライン入口から室戸岬観光協会まで押して行きました。

 

最後数百メートル歩いて押したけど、一応室戸岬まで走破は達成できました!!

 

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こういう状況になっても、室戸岬の写真はきっちり撮っておきました。

 

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見事にタイヤが外れているのが分かりますね。この状態で押して進むのは結構難儀でした。

 

観光協会の担当者に問い合わせると、室戸市内の自転車店に電話していただき、幸いにも直していただける自転車屋さんがすぐ見つかりました。室津港近くの浜窪自転車店さんです。

 

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電話してから10分ちょっとでやってきました。軽トラに自転車を載せ、同乗してお店へ。タイヤが外れた原因も判明しました。

 

タイヤ自体が不良品でした!!

 

タイヤのリムと接触している部分に傷があり、それが原因で外れたそうです。前輪タイヤは、その年の5月に自分で交換したばかり。もう近場でしか使ってない予備車なので、ブリヂストン製の純正タイヤを取り付けるのはもったいないと思い、ホームセンターで買った安物を取り付けていました。

 

ケチったのが災いの原因になるとは・・・。不良品であった以上、いつかは起き得たことなのでしょうが、タイミングがタイミングでした。でも、室戸岬目前で起きたのは不幸中の幸いだったと思います。

 

14時12分自転車屋さんを出発、18時頃帰宅しました

 

新品のタイヤとチューブを取り付けていただき、きちんと直りました。ブリヂストン純正です。出張料・タイヤとチューブ代含め、修理費は約4500円でした。

 

店主の人柄もよく、技術も確かなお店でした。自転車の状態についても丁寧に説明していただきました。困ったところを助けていただき、大変感謝しております。ありがとうございました。

 

修理完了後、また室戸岬へ戻って予定通り観光して、東岸を通って三津坂トンネル経由で帰りたいのですが、当日は18〜19時には帰宅する必要があったため、もう時間がありませんでした。

 

自転車屋さんから、そのまま帰らないと間に合いません。当初の予定は、一部未達に終りました。

 

14時12分に自転車屋さんを出発。途中、奈半利のローソンで15分ほど休憩した以外は、一目散に走って18時頃には帰宅しました。

 

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帰路の途中、羽根岬付近から撮った行当岬と室戸岬

 

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伊尾木駅付近の踏切でちょうど、ごめん・なはり線の列車がやって来ました。ほとんどが高架か築堤のごめん・なはり線もこの辺りは地上を通っています。

 

一部未達に終ったので、いつかリベンジしたいです。

 

今度は東洋町まで行って野根山街道経由で帰ろうとも思っています。東洋町から峠までは急勾配なので、押して行くしかないけど、峠から奈半利までほぼ全部下りなので「ラ・クッション」でも走れてしまします。

 

平坦地であれば長距離も快適に走れるポテンシャル

 

往復120kmを、性能が良いとは言い難い「ラ・クッション」で走ってきたわけですが、疲れは意外にも少なかったです。帰りは少々急いだため、それなりに疲れましたけどね。2003年8月の時も、意外なほどに快適だった覚えがあります。だからこそ、再び室戸へ走らせました。

 

いくら重くて加速が悪い自転車と言っても、走る区間はほとんど平坦です。ストップアンドゴーはほとんどないので、疲れを感じないほどのゆっくり加速で全く問題ありません。一旦、走り出すと20km/hくらいは簡単に出ます。走り出したら案外速いのですよ。

 

奈半利駅前〜加領郷漁港間の5.9kmを約17分で走っていますが、平均速度は20km/hと決して遅くはありません。途中上り坂があって10km/hくらいしか出してない区間があったのに関わらずです。

 

乗り心地が良いのも疲れにくい要因だと思います。この自転車最大売りであるサスペンションがショックを吸収していること、フレームがスチール製であるため乗り心地は優れています。アルミフレームですと、絶対こうはいきませんよ。

 

そんなことで、今回の記事は以上です。お読みいただきありがとうございました!