とさでん交通・路面電車の平均車齢は50年超!置き換えは待ったなしですが、単純に新車に入れ替えるだけでは…
とさでん交通(旧土佐電鉄)の路面電車には、2016年5月現在で計63両の車両が在籍してます。そのうち、外国電車や事業用などをのぞいた通常の運行に使用されている車両は58両在籍しています。
その内訳です。
100形:1両(2002年製造)
200形:14両(1950〜1957年製造)
590形:2両(1957年製造)
600形:29両(1957〜1964年製造)
700形:3両(1958年製造)
800形:4両(1959年製造)
1000形:2両(1981年製造)
2000形:3両(2000〜2004年製造)
(200形207号、201号 2016年3月9日 はりまや橋)
(600形614号 2016年3月9日 はりまや橋)
(2000形2001号 2003年12月29日 知寄町一丁目)
約9割の車両が車齢50年超と老朽化はかなり深刻
比較的新しいのは、100形(ハートラム)、1000形、2000形の合計6両だけ。それ以外の52両はすべて、車齢50年を超えた老朽車両ばかりです。
割合にすると、なんと約89.7%が車齢50年超!!!!!!
約9割を占めるご老体電車が、依然主力として君臨しているのが、 とさでん交通路面電車の実態です。
1000形、2000形も車体こそは新製ですが、台車やモーターなど足回りは200形などの流用品でメカニズム面では旧式にあたるため、本当に新しいと言えるのは超低床電車の100形(ハートラム)ただ1両のみという有様です。
全国の路面電車事業者と比べてみても、平均車齢の高さは堂々(?)の1位です。
他の路面電車事業者でも、旧型電車は多数残存していますが、例外なく1980年代以降に新型電車(岡山電軌や長崎電軌のように機器流用車ばかりの場合もありますが)や超低床車を一定数導入しており、それなりに改善が進んでいます。
最も状況が厳しそうに思える、富山県高岡市の万葉線ですら半数が超低床車に置き換わっています。もともと車両数が11両と少なく置き換えやすい事情はあるにせよ…。
つまり「とさでん交通」の路面電車は、 戦後から高度成長期半ばにかけて集中して車両を新製した以降、本格的な置き換えの機会に恵まれず、冷房化などの改造を実施しただけで延々と使い続け、21世紀になって15年以上経過した今まで来てしまいました。
1000形は5両導入する予定だったようですが初回に導入した2両で中止になり、2000形も当初10両導入する予定でしたが、財政難などの理由により3両で中止になっています。超低床車のハートラムは1両きりで、ほんとに「試しに入れてみた」だけ。
その結果、この南国高知にありながら冷房を装備してない(!)200形が12両も未だに運用されているという始末。それが真夏の日中に本線で運用されていることもあったりするので驚きです。それに乗った人の多くが「えっ!?冷房ないのかよ…」って言ってますよ。
そんな問題ありまくりの車両ですら置き換えがままならないほど財政状況は厳しく、2005年当時で車齢50年近いながらも「冷房がある」という理由で名鉄のモ590形を購入したほどです。
路線バスの方も、30年選手が登場するなど老朽化はかなり深刻ですが、こちらは一定のペースで新車を入れているので、まだマシと言えます。
「大昔に導入した車両を騙し騙し使い続け、なんとか今まで生き長らえてきた」というのが、とさでん交通の路面電車が置かれている実態です。
これ以上の先送りはそろそろ限界では?
現在でも、それら老朽電車の置き換えの目処は全く立っていないようです。補助金を活用しても、会社負担分が捻出できないほど状況は厳しいという話を聞いています。とさでん交通になった後に「超低床車導入を検討中」だの話を耳にしますが、特に具体化しているわけではありません。
正直なところ、「ボロ電車だらけで今後どうする気だよ…」って思います。鉄道趣味者としての観点からも「古い電車が多数残っていて、風情があっていい」なんて、もはや思わないレベルです。ぼくも200形も600形も好きですし、すっかり「高知の顔」になっていることは認めますが、それらばかりではいい加減ボロ過ぎます。
省エネ、省メンテナンスともに無縁な旧型電車、もうさすがにいつまでも使い続けるのは無理があるでしょう。本格的な置き換えは急務かと思います。それも、10両とかいうレベルではなく、7割以上を更新するくらいの規模でないと。
新車導入は設備の近代化とセットでの検討を
しかし残念ながら、単純に老朽車両を新車に置き換えただけでは、「都市交通機関としての未来はない!」と考えています。
何しろ設備が貧弱過ぎます。
市街地はともかくとして、郊外区間は「時代に取り残された感」がハンパありません。「その点を改良しないことには」と思うのです。
とさでん交通の本線(後免線・伊野線)は、市街地だけでなく、はりまや橋から約11km離れた後免町や伊野まで路線を伸ばしており、郊外電車としての性質を持っているのが特徴です。
だが郊外部になっても、一見すると砂利と枕木が見えており専用軌道に見えますが、ほとんどの部分は軌道法上は併用軌道のままです。
最高速度は40km/h止まりで、交通信号にも従う必要があります。如何せんカーブだらけで線形も悪く、見通しの悪い路地や民家の玄関が軌道脇にあったり、対向する自動車とほとんど間隔が取れなかったりするので、まともに速度は出せません。むしろ市街地の方が、線形がよく見通しがいいので速いくらいです。電停の間隔も、市街地と変わらず短いままです。
後免線郊外部の前面展望を撮影した動画がYouTuteにありましたので貼っておきます。
要するに、「郊外区間になっても路面電車の駅間や速度のまま」で、終点までかなり時間がかかります。はりまや橋から後免までは約35〜40分、同じく伊野までは45分もかかってしまいます。空いてればクルマで20分もかからない距離を倍もかかっているようでは、現代に通用する都市交通機関とは言い難いです。
現在はそんなことないですが、たまに中学高校時代は市内区間から後免町まで乗ると、いつも遅すぎてイライラしてました。「快速を設定しろー」ってね。
そういうこともあって後免線の場合、市街地から後免(南国市)まで乗り通す人は少なく、市街地内や市街地から高須や大津あたりまでの利用がメインになっています。
「市街地外れの住宅街に住む通勤通学客や高齢者相手に細々と生き長らえている」という状況です。かつては、高知市中心街〜後免町どころか鉄道線の安芸線にも乗り入れて、高知市中心街〜野市、手結(夜須)、安芸までの交通需要を担っていたのが今となっては信じがたいくらいです。
ノーガード電停も依然多く残るなど、安全面でも問題ありまくりです。
小篭通電停のごめん行きホームは土佐中街道の上。土佐電には結構な数のノーガード電停があります。危険ですが、安全地帯を作るスペースもないですしこれは当分どうしようもないでしょう。 pic.twitter.com/rrtduUXDvq
— photoてつおとこ (@sotetsu8705F) 2016年4月3日
@susaki_city_PR @aki_nabeya
— championsjp (@championsjp) 2015年4月21日
お店のすぐ前がとさでん交通の朝倉駅前電停です(ノーガード電停、乗降の際は周りの交通に注意してください) pic.twitter.com/ePvIu6lRwG
これでも以前からすればかなり減りました。1990年代中頃まで、後免線の郊外部は篠原〜後免西町間の専用軌道部分を除いて、後免方面行きはすべてノーガード電停と言う惨状でしたから。死亡事故もたびたび起きていました。しかし、現在に至るまで撲滅には至っていません。
そういうこともあって、単に低床の新車を入れただけでは、都市交通手段として機能面の向上はほとんど期待できません。ただ老朽車両が置き換わっただけ。乗り降りがしやすくなって、乗り心地は良くなるでしょうけど、それ以上でもそれ以下でもありません。
もっとも、郊外部に路線を展開してるのに全区間最高時速40キロ(線形の悪さで実際には30キロ)、ノーガード電停ばかりのこの惨状で新車導入しても利用増につながるとは思えんが…
— ばか者 (@makuhari_koutsu) 2016年5月20日
根本が開業時の明治時代の設備のままで、今の今までほとんど何も改良して来なかったのですから当然です。
とにかく、郊外部の近代化・高速化(市街地区間も幾分はスピードアップが必要)を考えないことには、新車を導入したところで先細っていくばかりでしょう。
個人的には、高知の路面電車が今後も通用する都市交通手段へと大躍進するには、本線(後免線・伊野線)に関しては、郊外区間の改良に加え、東側はかつて後免町から鉄道線の安芸線に直通していたように、その生まれ変わりと言える「ごめん・なはり線」へ直通して安芸や奈半利まで走り、さらにはJR土讃線土佐山田方面や空港線を新設し高知龍馬空港まで乗り入れ、西側も旭町〜朝倉間を新線への改良の上、朝倉からJR土讃線の伊野・佐川方面や高岡新線(高岡を経由する土讃線の新線案)に直通して、一体化したネットワークを構築し、郊外電車的な性質をさらに発展させていくのが望ましいと考えています。
桟橋線も短すぎて都市交通としてあまり機能していません。北はイオン・一宮方面、南は桂浜まで延伸したいところです。
そうなると、当然いろいろと課題は出てきます。車両限界の問題(最大幅2300mmでは狭すぎる!路線バスよりも狭い!)、路面電車と鉄道線のホームの高さの問題、土讃線やごめん・なはり線の電化の問題、電化した場合の架線電圧の問題、編成長の問題、そもそも財源の問題など。財源に関しては簡単に述べますが、整備に於いては公共交通整備の社会的便益をきちんと評価して、道路建設予算(特に高速道路の4車線化する予算)を転用するなどして公共のインフラとして投資していく必要があると考えています。
ごめん・なはり線や土讃線へ直通運転を考慮した場合、本線で運用する車両は、性能、サイズ、車内設備、最大編成長ともに「チンチン電車(ストリートカー)的なもの」から一線を画す内容が求められます。
情報量が多すぎて一遍には書けないので、それらについて順次書いていきます。
そろそろまとめますが、そのあたりをきちんと煮詰めていかない以上、闇雲な置き換えは避けた方がいいかと思います。特に、ホーム高さの問題以前に、車両限界の狭さをなんとかしないことには…。
現時点で車両の更新が止まっていることは、「不幸中の幸い」という見方もできます。車両を一新する機会に、既存の車両規格や性能にとらわれることなく、設備改良を含めたトータルでの近代化がやりやすいわけですから。(財源の問題は、また別ですよ)
車両更新を行ってないってことは設備ごと一新できるチャンスではあるんだけど…
— ばか者 (@makuhari_koutsu) 2016年5月20日
@soundsearth 既存のインフラを利用する場合は、従来規格をそのまま流用して新車両や新システムを設計するか、新車両や新システムを導入するのに合わせて全面リニューアルするか、どちらかになりますね。福井鉄道では、名鉄からの低床車導入に合わせて、ホームの嵩下げを行いました。
— NAL(おでライ宇都宮181・D-13) (@NAL_MUTHU) 2014年1月20日
とは言っても、やはり老朽化は深刻で待ったなしの状況ですので、まずは今後も使用を見込まれる1000形、2000形、600形後期型(622〜631のナニワ工機製。廃車済の629は除く。自社製の前期型と違って車体の歪みなどが見られず状態が良い)あたりに関しては、都電7000形(改良後7700形に形式変更)やJR四国121系(改良後7200系に形式変更)のように足回りの近代化(VVVF化&台車新製)を実施していってはどうかと。
無謀運転、バイクもクルマもどっちもどっちですね。
ブロガーのイケダハヤトさんが、バイクについて記事を書かれています。
ぼくも大型二輪免許を保有し、所謂原付二種と言われている125ccスクーターの「シグナスX」ですがバイクに乗っています。なので、ちょっとバイクについて所感、雑感を述べます。
無謀なバイク乗り、相変わらず見かけますね
高知市〜香南市を通る南国バイパス(国道55号、32号)など、片側二車線以上の幹線道路を走っていると、車線変更を繰り返しながら、追い越しまくる無謀運転のバイクを時折見かけます。もちろん、バイクだけではないですけどね。
さらには、片側一車線の追い越し禁止にも関わらず、対向車線にはみ出して追い越すとんでもない野郎まで見かけます。
そういうのを見るたびに、こう思ってますよ。
「あんな一瞬の判断で急な操作しても、的確かつ安全に運転できる自信がある(と思っている)のだぁ…」
ぼくはそんな自信は全くありませんので、急な追い越しなど絶対にしません!追い越し自体も、余程のことがない限りしないようにしています。
60km/h制限の道路で、前方のクルマが50km/hくらいで走っていても、黙って後ろをついていきます。「のんびり行けばいいや」と、むしろ気楽な気持ちになりますね。40km/h以下と極端に遅い場合は、交通量が少なければさすがに追い越しますけどね。
追い越したって、そんなに早く着くわけでもありません。20kmの道のりでも数分短縮がいいところでしょう。むしろ、右後方を振り向いて目視で確認して、安全に走行車線に移れるか判断して、指示器を出して、ハンドル操作をして車線を変更して、追い越して、また走行車線に戻るという一連の操作は、かなり神経を使いますし確実に危険は増えます。
全く割に合わないのですよ、無謀な追い越ししても。リスクが一気に増えるだけメリットは全くありません。
臆病なものですから、原則追い越しをしないだけでなく、スピードもかなり控えめで走っています。右折時以外は走行車線しか走りませんし(道交法では追い越し車線をずっと走り続けるのは厳密には違反です!)、車間距離も取りすぎなくらい取っています。
生身で事故ったら即死もあり得るバイクで、飛ばしまくって追い越しまくる姿を見ると「よーやるわ…」っていつも思ってます。
無謀運転のクルマも同様に多い多い…
バイクは道路の中でも少数派で目立つので、特に目の敵にされていますが(少数派イジメな面はありますが)、クルマの方は真面目に運転しているドライバーばかりかと言えば、もちろんそんなことは全くありません!!
飛ばし過ぎ、無謀な追い越しや車線変更、カーブでの対向車線へのはみ出し…などと危険運転のクルマもバイク同様に多くいます。クルマやバイクで走っていると、そんなの日常茶飯事です。巻き込まれて死んでも死に切れませんよ。
クルマを運転していると、危険な運転する輩に出合うのは日常茶飯事。メチャクチャな車線変更、指示器出さずにいきなり急減速して店舗等に入るなど。そんなやつに殺されたくはない。だから、行き過ぎたクルマ社会は勘弁なのだ。公共交通をマジで改善してほしい。
— 脱クルマで地方は豊かになる!@高知家 (@motorization) 2014年1月23日
いつ実現するかは分かりませんが、自動運転が普及した方が道路は確実に安全になるでしょうね。危険運転する輩から運転の主導権を奪えるわけですから。
真面目にバイクに乗っていても、危険運転のクルマにヒヤッとさせられます!
前述のように、かなりおとなしーくバイクに乗っています。スピードも控えめで、原則追い越しもせずに。
にも関わらず、いやだからこそ(?)、クルマにヒヤッとさせられることは多くあります。
普通にスピードが出て流れに乗っているのにも関わらず、どんどんクルマに追い抜かれます。もう抜かれるのには慣れましたが、それでもイヤな思いをする追い抜き方をするクルマにたびたび遭遇します。
高知市内などの市街地では、追い抜かれることはそれほどありませんが、郊外のバイパス道路ではそれなりに抜かれ、室戸や幡多地方の田舎の国道ともなれば、いとも簡単に抜かれてしまいます。
50km/h制限のところを60km/hくらいで走っていても(違反ですがそれくらいで走らないとむしろ危ないので勘弁してください)、「遅いわ!」と言わんばかりにどんどん追い抜かれます。
追い抜くこと自体は、一向に構いません。むしろ、追い抜いてくれた方がいいです。後ろにクルマが何台も連なった状態で走り続けるのはプレッシャーを感じますし、クルマの方もバイクの前を延々ついて行くのは気分がいいものではないのは分かります。追いついてきたら、適当な場所で左に寄って先に行かせてますよ。
問題は、ほとんどのクルマが制限速度を大幅に超えて飛ばしまくっていることと、やはり追い抜きの仕方が無謀なことです。
制限速度+αで走っていても、いとも簡単に追い付いてくるのは、いかにクルマが飛ばしまくっているかということです。室戸市など60km/h制限のところを70km/hで走っていても追い抜かれるのですからね。どんだけ飛ばしてんだよ…。
一般道でこんなに飛ばしても、あらゆる事態に対して、確実に対処できるだけの技量があるのかな? もし、そう断言するのでしたら「プロレーサー以上の技量の持ち主だね」って、或る意味感心しますがね(笑)
バイクだと排気量に関わらず、怖くてこんなに飛ばせませんよ!特に夜間はね。クルマに比べてカーブでの見通しがいいわけでもなく、田舎では国道であっても舗装状態は決して良くないので、乗り心地は悪く(特に古いトンネルのコンクリ路面は最悪です!)、酷い場合はハンドルを取られそうになることもあるので、そもそも飛ばそうという気が起きませんしね。
飛ばしまくりなのも無謀ですが、そういうクルマって追い抜き方が輪をかけて無謀です!
50km/hくらいで程よく流していたら、一気に後ろから追いついてきて、「隙あらば」とばかりにアクセルベタ踏みで追い抜きをかけて、一気に走り去っていきます。90km/hくらい出ているんじゃないかな…。
追い抜く場所もお構いなしで、トンネルの中だろうが、カーブの途中だろうが、平気で追い抜いていきます。どんだけ、危なっかしいことをしているか分かってないようで。
そんな輩に意地張っても、いくら命があっても足らないので、もうそういうクルマを察知したら、なるべく早く左に寄って速度落として先に行かせてますね。視界から消えてくれたらホッとしますよ。
無謀運転に関しては、バイクもクルマもどっちもどっちですね。少数派のバイクの方が目立つので目の敵にされているだけで。
自動運転が普及すれば趣味のバイクは確かに排除されるでしょうね
昨今、何かと自動運転が話題になっています。ぼくは、全く監視も不要な完全自動運転はそう簡単には実現しないと考えていますが、半自動運転でしたら幹線道路を中心に、近い将来普及することは十分あり得ます。
そんな中、自動運転機能を全く装備しない趣味のバイクが、自由気ままに走ることは、いつまでも許さないでしょう。「バイクツーリングが趣味」って言える時代の終焉は、目前に迫っているかもしれません。ぼくもバイク好きなので(だからこそ大型まで取得してます)、ちょっと寂しいですがね。
しかし、バイクは趣味だけでなく通勤や配達や営業など実用でも大いに使われています。スペースを四輪のクルマほどは占有せず機動力もあり、市街地向きの乗り物です。自動運転時代、「そこら辺のバイクをどうするか?」は課題ですね。通勤に関しては、なるべく公共交通か自転車にシフトさせるのが望ましいと思いますが、配達や営業用に関しては、自動運転機能を持ったバイクに置き換わっていくのでしょうかね?
祝16周年!最古参自転車「ラ・クッション」で室戸岬まで走ってきました。しかし、思わぬハプニングが・・・
もう半年以上前のことになりますが、シルバーウイークの真っ最中の2015年9月22日(火)、ぼくが所有する自転車の中では最古参となった「ラ・クッション」で、香南市夜須町から室戸岬までの片道約60kmを往復してきました。
「ラ・クッション」がどういう自転車かは、こちらの記事をご参照くださいね。20世紀末の1999年7月に購入し、まもなく17年目を迎える歴史のある(?)自転車です。
高校時代は休日に夜須から高知市や安芸市へと、予備校時代は毎日のように後免駅まで往復をこなし大活躍するも、現在は予備車という立ち位置で、すっかりご隠居さん状態。もはや、高知市や安芸市まで走ることもなく、運用範囲も香南市内とお隣の芸西村に限定しています。ただし、唯一の内装変速機を装備した自転車と言うことで、完全に活躍の場を失わず、梅雨の時期には例外的に頻繁に使われています。
この自転車にもう一度過去の栄光を!2003年夏、この自転車で室戸市吉良川町まで走ったことがあるので、もう一度室戸へ行こう!室戸へ行くからには、室戸岬まで行こう!
ということで、ブログネタを兼ねて室戸行きを敢行しました。
遠くへ走るなら、別府峡(香美市)でも大豊町、須崎市でも何でもいいのですが、如何せん平坦地でしか使い物にならない自転車なので、必然的に室戸しか選択肢はありません。
走るにあたって注意したことは、もともと加速も悪く坂道にも弱い鈍重な自転車なので、とにかく無理をせずに走ること。長丁場なので、無理をすると帰りがものすごくしんどくなってしまいます。加速時は、力まずにゆっくりゆっくりと速度を上げていき、安芸市の八流や奈半利町にある坂道も全く疲れないくらいに歩く速度ほどで上るようにしました。
ヤ・シィパーク(香南市夜須町)8時12分発
8時12分、出発地であるヤシィパークを出発しました。ここから安芸市までは、サイクリングロードを進んでいきます。この自転車にとっても通いなれた道です。高校時代は、安芸市のゲーム屋(現在は閉店)に、よく行ったなぁ・・・。
途中、芸西村の国道55号とごめん・なはり線の高架橋の交差部で・・・
ネズミ捕り(速度違反取締り)をやってました。県外からの観光客も多いシルバーウイーク、書き入れ時なのでしょう(笑)
サークルK・安芸矢の丸店 9時9分着 9時16分発
ヤ・シィパークを出発してから1時間弱で、安芸市内にあるサークルKに到着しました。ここで朝食を摂るためと、補給用の飲み物を買うために少し休憩。7分後の9時16分には出発しました。この先に「ラ・クッション」が本格的に踏み入れるのは、10年以上ぶりです。
伊尾木川を渡ります。いい天気でした。
大山岬 9時38分通過
サークルKから20分ちょっとで大山岬に到着。岬の前後は8%程度の勾配になっており、「ラ・クッション」で上るには結構キツイです。ゆっくり上るものの、やっぱり坂道は苦手。ここからしばらく走ると、安芸市から安田町に入ります。
安芸市伊尾木地区でもそうでしたが、安田町でも旧道がある部分は基本的に旧道を経由しています。クルマがあまり走らない旧道は、クルマに追われることなくのんびり走れます。その後も、基本的に旧道を走りました。
安田川にて。この日はほんといい天気でした。
田野町の旧道です。国道55号の南側を通っており、歴史的な建造物が結構残っています。のんびり進みます。
奈半利駅前交差点 10時7分通過
奈半利川手前で国道55号に出て、奈半利川を渡ると奈半利町に入ります。奈半利駅前の交差点は10時7分に通過。大山岬から約30分というところです。
特に休憩することもなく、時間を記録してそのまま通り過ぎました。
加領郷漁港 10時24分着 10時33分発
奈半利駅前交差点から約17分で、奈半利町では最も東に位置する加領郷(かりょうごう)漁港に到着しました。
高架は国道55号で、港の真上を通っています。漁港の前の酒屋さん(個人商店)で飲み物とパンを購入し、しばしの休憩。
そして室戸市へ
加領郷漁港を出発してすぐ、とうとう室戸市へ突入します。
「ラ・クッション」にとっては、2003年8月以来、12年ぶりの室戸市です。室戸市へ入ったのことがあるは、それだけなので回数で言うと2回目です。16年目にしての再び快挙(?)を成し遂げました。まだまだ走りそのものは快調で、引退するにはモッタイナイくらいです。でも、サスペンション部分に不具合が出ていますので、もう第一線では安心して使えないのですよね。
羽根の山々。山の緑も空も美しい。
吉良川町 11時7分頃通過(少し滞在)
室戸市に入ってから30分ほど走って、吉良川町の中心部へ到着。先述の通り「ラ・クッション」でここまで来たことがあります。
吉良川町の街並みと「ラ・クッション」。
吉良川町は、高知県では最初に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。久しぶりにゆっくり見て廻りたいのですが、そこまで時間的な余裕もなく、写真を数枚撮っただけで、すぐに出発しました。ここから先は「ラ・クッション」にとって初めて走る道です。
カレー専門店シットロトで昼食をとりました 11時22分着 12時1分発
奈半利町まではほとんど風は吹いていなかたのですが、室戸市に走ってから風が強くなり、ややペースが低下。やはり室戸は地形的に風が吹きやすい地域のようです。
それはさておき、吉良川町から約15分で、紅茶とカレーで有名なシットロトに到着し昼食をとりました。これまでも何度も足を運んだことのある、大好きなお店です。店内に置いてある書籍が渋かったりもします(^^)
選んだのは、紅茶煮、豚バラとフレッシュトマトのカリー。やっぱり、何度きても美味しい。飽きない味。
シットロトの駐車場より、すぐ前の堤防より、土佐湾、奈半利方面を望みます。いやー、室戸らしい風景です。お店には40分ほど滞在して、正午には出発しました。
室津港 12時21分通過
行当地区の旧道を進みます。室戸特有の石垣でつくられた塀のある風景です。
室戸岬が近づいてきました。折り返し地点はまもなく。
閑静な旧道を進みます。室戸の中心街はすぐそこ。
12時21分、室津港に到着しました。かつては捕鯨、そして遠洋漁業で栄えた室戸の中心地です。
港(旧港)は香南市夜須町の手結港と同じく、江戸時代初期に野中兼山によって造成された堀込港で、貴重な近世の土木遺産です。残っている重厚な建物からも、吉良川町と同じくかつては繁栄した町だったのでしょう。
スナックが並ぶ路地。マグロ遠洋漁業の最盛期は、今からは想像できないくらい賑わっていたのでしょうね。
しばらく旧道沿いに南下すると再び堀込港が出現します。津呂(つろ)港という名前の港で、こちらも江戸時代初期の土木遺産です。外側に港が出来た今もこうやって現役で使われています。
医院跡の建物が渋い。室戸岬はもう目と鼻の先。あと5分も走れば到着というところまで来ました。
予定では、室戸岬を少し観光した後、帰路はそのまま引き返さずに岬の東岸を進み、岬をショートカットする三津坂トンネルを経由して室戸の中心街まで戻るつもりでした。
しかし、この後は予定はかなり狂います。
室戸岬直前、とんだハプニングに見舞われました・・・
長距離を走るので、トラブル防止のため、出発前にはタイヤの空気圧やブレーキなど、きちんとチェックしていました。なので、まさかこんなトラブルが発生するとは予期していませんでした。
これまで述べたとおり、ここまで至って順調に進んできました。しかし、室戸岬を目前にした室戸スカイライン入口付近でまさかの事態が起きました。
なんか、走りがおかしくなりました。ガクガクとした感触が…。前輪を見ると、前輪のタイヤが外れているではないですか!?
気づいた時は、まだチューブはバーストしてなかったですが、10秒ほどしたら見事にバーストしました。
とにかく走行不能になりました。非常に困ったことに。交換用のタイヤ・チューブなど持参してないですし・・・。
室戸岬は数百メートルと目前に。まさか、こんなところでトラブルとは・・・。
確か、室戸岬には観光案内所があったはず。そこで直してもらえる自転車屋さんがないか聞いてみることに。祝日なので自転車屋さんは開いてないかもしれません。もし、どこも開いてなければバスで帰って、後日新品のタイヤとチューブと携帯ポンプを持参し、自分でその場で直そうとも考えていました。
幸いにもすぐに直していただける自転車屋さんが見つかりました
最後数百メートル歩いて押したけど、一応室戸岬まで走破は達成できました!!
こういう状況になっても、室戸岬の写真はきっちり撮っておきました。
見事にタイヤが外れているのが分かりますね。この状態で押して進むのは結構難儀でした。
観光協会の担当者に問い合わせると、室戸市内の自転車店に電話していただき、幸いにも直していただける自転車屋さんがすぐ見つかりました。室津港近くの浜窪自転車店さんです。
電話してから10分ちょっとでやってきました。軽トラに自転車を載せ、同乗してお店へ。タイヤが外れた原因も判明しました。
タイヤ自体が不良品でした!!
タイヤのリムと接触している部分に傷があり、それが原因で外れたそうです。前輪タイヤは、その年の5月に自分で交換したばかり。もう近場でしか使ってない予備車なので、ブリヂストン製の純正タイヤを取り付けるのはもったいないと思い、ホームセンターで買った安物を取り付けていました。
ケチったのが災いの原因になるとは・・・。不良品であった以上、いつかは起き得たことなのでしょうが、タイミングがタイミングでした。でも、室戸岬目前で起きたのは不幸中の幸いだったと思います。
14時12分自転車屋さんを出発、18時頃帰宅しました
新品のタイヤとチューブを取り付けていただき、きちんと直りました。ブリヂストン純正です。出張料・タイヤとチューブ代含め、修理費は約4500円でした。
店主の人柄もよく、技術も確かなお店でした。自転車の状態についても丁寧に説明していただきました。困ったところを助けていただき、大変感謝しております。ありがとうございました。
修理完了後、また室戸岬へ戻って予定通り観光して、東岸を通って三津坂トンネル経由で帰りたいのですが、当日は18〜19時には帰宅する必要があったため、もう時間がありませんでした。
自転車屋さんから、そのまま帰らないと間に合いません。当初の予定は、一部未達に終りました。
14時12分に自転車屋さんを出発。途中、奈半利のローソンで15分ほど休憩した以外は、一目散に走って18時頃には帰宅しました。
帰路の途中、羽根岬付近から撮った行当岬と室戸岬。
伊尾木駅付近の踏切でちょうど、ごめん・なはり線の列車がやって来ました。ほとんどが高架か築堤のごめん・なはり線もこの辺りは地上を通っています。
一部未達に終ったので、いつかリベンジしたいです。
今度は東洋町まで行って野根山街道経由で帰ろうとも思っています。東洋町から峠までは急勾配なので、押して行くしかないけど、峠から奈半利までほぼ全部下りなので「ラ・クッション」でも走れてしまします。
平坦地であれば長距離も快適に走れるポテンシャル
往復120kmを、性能が良いとは言い難い「ラ・クッション」で走ってきたわけですが、疲れは意外にも少なかったです。帰りは少々急いだため、それなりに疲れましたけどね。2003年8月の時も、意外なほどに快適だった覚えがあります。だからこそ、再び室戸へ走らせました。
いくら重くて加速が悪い自転車と言っても、走る区間はほとんど平坦です。ストップアンドゴーはほとんどないので、疲れを感じないほどのゆっくり加速で全く問題ありません。一旦、走り出すと20km/hくらいは簡単に出ます。走り出したら案外速いのですよ。
奈半利駅前〜加領郷漁港間の5.9kmを約17分で走っていますが、平均速度は20km/hと決して遅くはありません。途中上り坂があって10km/hくらいしか出してない区間があったのに関わらずです。
乗り心地が良いのも疲れにくい要因だと思います。この自転車最大売りであるサスペンションがショックを吸収していること、フレームがスチール製であるため乗り心地は優れています。アルミフレームですと、絶対こうはいきませんよ。
そんなことで、今回の記事は以上です。お読みいただきありがとうございました!